うさぎの飼い方

読者のお悩み相談「シニア期の悩み」

今回は8歳と7歳のシニア期に入ったうさぎと工夫しながら暮らしている飼い主さんにお悩みを伺いました。

講師/中山ますみ先生

講師/中山ますみ先生

東京都杉並区のうさぎ専門店「らびっとわぁるど」オーナー。海外での動物研究の経験を生かし、うさぎの性格や状態に合わせた飼育相談や預かりのトレーニングを行っている。一般社団法人日本アニマルウェルスネス協会認定ホリスティックカウンセラーの資格を取得。

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ご相談内容「シニア期の悩み」

シニア期のうさぎ(イメージ)
シニア期のうさぎ(イメージ)

飼い主さんから

茶(8歳)は定期的にかかりつけの病院にて前歯カットをしていて、前歯が鼻涙管を圧迫しているので、鼻涙管洗浄をしている。牧草をほとんど食べないが、歯のこともあるので、どうしたら牧草を食べてくれるようになるのか、また牧草に興味を持たせるのはどうしたらよいか。

黒(7歳)は若いときのねんざが影響してなのか、昨年から後肢不全麻痺となり、留守番中の食事のとり方がスムーズにできないことがあり心配です。

体年齢はうさぎそれぞれ

Gさん

後ろ足の動きが鈍くなってきて、老化のサインが出てきたのは、5歳くらいから。うさぎには普通のことでしょうか?

中山先生

うさぎの寿命が14歳、15歳までの長生きの子も増えてきたことを思えば、5歳で老化と考えるのは少し早いのですが、体年齢はうさぎそれぞれ違います。年を重ねてくると、例えば若い時に痛めた場所や若い時から虚弱な部分など、老化するとうさぎの弱い部分に出てくることが多いです。加齢とともに、集中して出てきてしまいます。

Gさん

シニアのサインは出てきましたが、今もお出かけするのは2匹とも大好きだし、性格的にも変わらないいい子たちなので、と夫婦で話し合ったりして、お世話を楽しんでいるんです。

ケージの配置をチェックしている中山先生
ケージの配置をチェックしている中山先生
中山先生

今、こうして2匹の関係を見ているだけでも、茶くんが黒くんを慕っていて、まとわりついて、黒くんがそのしつこさに怒ったりしていますね(笑)。実は怒もエネルギーで、若くいられる秘訣なんです。年齢は茶くんが上でも、うさぎの関係は黒くんがお兄ちゃんタイプ。こうした怒ったりする感情が動物には必要なんです。

シニアですと野菜から水分をとってくれるだけでもありがたいのですが、まだ若いので体力維持のためにも水分を摂取することが必要です。

Gさん

夫婦で勤めているので、留守番の時は、2匹はそれぞれのケージで過ごしていますが、私たちが帰宅したら2匹とも私たちのそばで自由にさせています。この時間がとても大切なんですね。

中山先生

シニア期に1匹で過ごしていると、マイナスな感情が出てきて暗くなってしまう場合もあるんです。また、無反応になって老化が進んでしまったり…。そういう意味でも黒くんのように茶くんがそばにいて、刺激があるのは、とても大切なことです。こうした感情はあった方がいいと思います。

牧草を食べなくて…

Gさん

茶は牧草をほとんど食べません。お腹が弱いので、牧草を食べてもらいたいのですが、歯が伸びていることもあって、どうしたら食べてくれるのか悩んでいます。牧草に興味を持ってもらう方法はありますか?

中山先生

前歯が不正咬合だと、牧草を食べづらいのであきらめてしまいます。もっとおいしいものがあったらそちらに流れてしまいます。

ここで飼い主さんの決断が必要なのです。シニア期ですから、うさぎの気持ちを尊重して好みを優先にしてあげるのか、健康を追及してあげるのか…。

ただ、シニア期だからこそ、胃腸の健康維持のために『粗い繊維』を摂取することは不可欠なので、近年はペレット牧草やペレットでも例えばブルームシリーズのような粗い繊維を取ることを目的とした商品が出ていますので、こうしたものを取り入れてみてはいかがでしょう。

Gさん

ブルームには変えたことがあって、最初は食べてくれてウンチの状態も少しよくなったんですが、すぐに食べなくなって…。また、いつものフードに戻しています。

中山先生

生のバナナにブルームを練りこんで、粗い繊維を取るためのおやつとして食べさせてもいいですよ。また、ドライのくずやオオバコやびわの葉もお腹にいいんですよ。腸内バランスを整えてくれます。食べさせたことはありますか?

Gさん

乾燥のオオバコはたっぷりあげています。びわの葉は食べませんでした。くずの葉もチャレンジしてみます。

中山先生

茶くんの好みと体の事情は別なので、Gさんがこれからどう判断してしていくかが課題ですね。また、もう一度、ペレット牧草などもチャレンジしてもらってもよいかもしれません。時間をかけて少しずつあげてみて、経過を観察してみましょうか?

くずの葉
くずの葉

黒くんのケージスタイル

Gさん

黒は、私たちの留守中、ケージにいる間、飲み水やフードに手がぶつかったりしてお皿が移動してしまって私たちが帰ってくるまで、食べられないまま、待っている時があって、どうしたらいいでしょうか。仕事場から容易に戻ってくることもできず、夏場は水分が取れないので、特に心配です。

中山先生

黒くんの場合、ケージ内でもたくさん動き回る必要はないので、クッションなどやわらかい詰め物をいっぱいしても大丈夫。ご飯を食べるためのケージレイアウトに変えてあげましょう。ケージ内のスペースがあると、フード入れが動いてしまいますので、まずはクッションやタオルなどを入れて、黒くんの体の周りを保定して食事を取りやすいようにしてあげましょう。そして、黒くんの目の前に、ご飯とお水用にすわりのいい器を試してみてください。試しながら、こぼしていないかなど、注意してあげてください。

Gさん

飲み水の器はどんなタイプのものでしょうか。

中山先生

前足とかでひっくり返してしまわないよう犬用のエサ皿で円形でくぼみがふかくなっているものです(写真お皿参照)。陶器で安定感があるので、手をかけても横になりにくく、歯をかけて移動させることもできます。

また、黒くんのケージの天井部がはずせるタイプでしたら、取ってしまうとフードの出し入れやマットの交換など、お世話がしやすくなりますよ。今、茶くんと黒くんのケージが2段重ねで、黒くんが下になっていますが、冷えや暑さは床側にこもるので、底上げしてあげたり、黒くんのケージはもっと開放的で見晴らしがいいようにしてあげるといいですね。

Gさん

わかりました!

飲み水の器として用意した陶器
飲み水の器として用意した陶器

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