うさぎの飼い方

「ペットロス」さよならを乗り越える

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うさぎと暮らしていると共にすごす時間は永遠なのではないかと感じてしまいます。しかしうさぎ1歳でもヒト年齢ではおおよそ20歳。5歳では45歳、8歳では65歳、10歳では75歳…。見た目はかわいいままでも、うさぎの体年齢は着実に進んでいます。うさぎが元気な時からお別れするときのシミュレーションをしておくことは大切です。いざ愛兎を月へ見送るときに飼い主さんの心の負担が少しでも軽くなるような心づもりをご紹介いたします。
(うさぎと暮らすNO.52より一部流用)

はじめに

一緒に長い年月を過ごした大切な家族であるうさぎが突然体調を崩して、あるいは闘病の末に、お月さまへ旅立ってしまった時ー。私たち飼い主が、悲しみにくれ、苦しんだりすることは当然のことです。何を見ても在りし日の姿を思い出してしまい、仕事や家事に身が入らなくなることもあるかもしれません。「ペットロス」は、ペットと暮らして同様の経験がある人でないとなかなか理解してもらいにくいものでもあります。しかし日々涙に暮れているわけにはいきません。この経験を糧に、飼い主さん自身が幸せに生きていくことが大切です。周囲の手を頼ったり、自身で考え方を切り替えていくことも必要です。

自分を責めない

うさぎが旅立ってしまったとき、飼い主さんの中には悲しみのあまり、強い不安感や悲観的、罪悪感などの症状が現れてしまうことがあります。あるいは食欲不振や体調不良、仕事に意欲がなくなる、といった症状が出ることも。

罪悪感に関しては、最後に「こうしてあげればよかった」「私の対処が悪かった」と自責の念に駆られてしまう方が多いということです。しかし、こうした飼い主さんにお伝えしたいのは、それを一人で抱えないでほしいということです。少し気持ちが落ち着いてからでいいので、最期の時を身近な方やうさ友さんに話してみること。第三者は客観的に飼い主さんが精一杯うさぎのために手を尽くしてきたことを感じ取ってくれます。飼い主さんも気持ちがふっと軽くなるはずです。

食欲がなくても食事はきっちりとる、運動したり、お風呂に入って適度な睡眠がとれるようにつとめましょう。友人と話して気持ちを切り替えたり、社会と接点を切らさないようにしましょう。

特にお伝えしたいのは本を読んだり、テレビを見たり、別のジャンルのものを見て、「笑う」ということ。

次第に悲しみの症状は時間が経つにつれ、軽くなってくるはずで、それが人間なのです。うさぎのことを忘れてしまうということではありません。一緒に暮らした素晴らしい生活をよい思い出として感謝し、また飼い主さんも元気に過ごしていかなくてはなりません。

ペットロスでひどく落ち込んでしまったときは、自分を客観視して、救いの手を外に見出すために、ペットロス経験者や専門家の意見に耳を傾けることが必要です。

清水動物病院(神奈川県横浜市)の清水宏子獣医師は、著書「ペットの秘密」の中でこう述べられています。

ペットを失うことで悩むのは、愛する者を失ったことに対する正常な反応で、決して特別なことではありません。飼い主さんの中には、いつまでも悲しみを引きずっているのはおかしいのではないか、と思ってしまう人がたくさんいます。中には友だちに「動物が死んだことくらいで」という心ない言い方をされて傷つく人もいます。
そこでペット・ロスの人たちを支えようと、いろいろなアイデアが寄せられています。アルバムを作る、気持ちをつづった手紙を書く。ペット・ロスの人がいたら、個人的な意見や感情ははさまずに、「ただ黙って聞いてあげる」、「わかる努力をしてあげる」、これがその人がペットの死を最終的に乗り越える助け舟になるそうです。

出典:清水宏子著「ペットの秘密」(東京堂出版)より

幸せの記録を作る
聞いてもらう…イメージ

埋葬について家族と話し合う

うさぎが元気なうちから、あるいはシニア期に入ったら(5歳くらい)、うさぎが亡くなった時の、埋葬の仕方について家族で話し合っておきましょう。亡くなった直後は冷静になれず、ペット霊園を探すのも困難です…。

ペット霊園は全国各地にあり、私たちが霊園まで行く形か、訪問火葬(車)もあります。費用もさまざまです(編集者の場合、横浜市のとある霊園の個別火葬で3万円くらいでした)。霊園は生前から見学に行っておいたり、訪問火葬の場合は火葬を行ってよいスペースがあるかを事前に確認しておきましょう。実際に煙などが出て、ご近所トラブルもあるようです。

火葬前にはお花を亡きがらの周りに入れてあげたり、最後に声をかけてあげたり、頭をなでてあげるなどとスタッフさんが手厚くアドバイスしてもらえます。こうした葬儀をすることで、うさぎがくれた幸せな日々に感謝し、一つの区切りをつけるよい機会となります。

納骨するのか、全遺骨を持ち帰る、一部をアクセサリーなどに入れて持ち帰るなど、飼い主さんの希望でさまざまなパターンがあります。

編集者の経験を通じてー

先代うさぎのホッピーは体重減少で病院へ行くと、腎不全が発覚し、投薬をしておりましたが、徐々に体力がなくなり、7歳を前にお月さまへ帰りました。夜中のお別れでしたが、ゴールデンウイークだったので自分の腕の中でした。直後はしばらくペットロスになりました。いつもいる場所にいない、明日からいない、ということが一番つらかったです。

しばらくはケージからホッピーの生活音がするような気がして、49日まではここに魂はいるんだなと感じていました。しかし私が悲しみすぎるとお月さまへ帰れなくなってしまうかなとも思っていました。49日でこの世と別れを告げるー私たちも気持ちの区切りをつけるー仏教の葬儀だとお坊さんからそういう説法をされますよね…。

私の場合は仕事で外へ行くことが一番の気晴らしでした。仕事でほかのうさぎたちに会うことは全くストレスになりませんでした。たくさんの人にホッピーの最期の旅立ちの時を聞いてもらいました。うさ飼いさん同士、分かり合えることもいっぱいありますね。

次のうさぎをお迎えしたのは1年半間が空きました。家族は新たにうさぎを迎えることには反対でした。やはりお別れがつらいと…。しかし結果として縁あってお迎えしてしまいました。

2代目も女子は、やはり気が強いですが、タイプの違う気質の女子うさぎとの暮らしを楽しんでいます。

ホッピーの遺骨は我が家の仏壇にあり、毎日、写真に向かって「行ってきます」「おやすみ」をしています。

いつも話しかけています

ここから先は動物病院での緩和ケア、うさぎが最後の時に体が示す過程などをご紹介します。

うさぎの最期と緩和ケア

うさぎが最期を迎える時、呼吸が荒くなるなど、飼い主さんには苦しんでいるように見えることがあります。ところが実際は、うさぎの体に起こる現象として脳から『エンドルフィン』という物質が出るため、苦痛を感じにくくなっていると言われています。また、病気で痛みなどがある場合、獣医師が行う「緩和ケア」もあります。

飼い主さんがそれを知っていることで、穏やかな気持ちで死を受け入れることができ、うさぎと暮らしてよかったと思えることでしょう。

亡くなる時の過程

  • 呼吸が不規則になる
  • 荒い呼吸
  • 血圧の低下
  • 痙攣(けいれん)、震え、チックが起きる
     ※痙攣…無意識で神経や筋肉が刺激を受け、収縮しているので苦しくて暴れているわけではありません。
  • 手足がつっぱる
  • か細い声が出る
  • 筋肉がゆるむ

発作が起きた時

頭をぶつけないように横に寝かせて、冷静に見守って自然に収まるのを待ちます。

呼吸停止の後

瞳孔と目が開く。普通の現象で、苦しんだためではありません。まぶたを閉じてあげましょう。括約筋(かつやくきん)がゆるむので尿とフンが漏れます。吸水性のあるペットシーツやタオルなどを体の下に敷くと、体が汚れにくくなります。
短時間で体が硬直してくるので、自然に眠っているようなリラックスした体位にしてあげること。

最期の場所の選択

多くの飼い主さんは自宅を希望され、私たちもおすすめしています。今まで過ごした部屋のにおいや雰囲気、家族のぬくもりの中で息を引き取ることができれば、うさぎは落ち着いて過ごせるし、飼い主さんも状況を冷静に認識することができます。
なお、最後まで可能な限り治療をしてもらいたい方、最後の姿は見たくないという方、常にそばにいてあげることができないという方は入院を希望されることもあります。

思い出と共に…

気がめいって何もしたくない。ただただ涙が流れてくるー。うさぎと暮らす先人の方々がそうした状況を受け入れて、乗り越えていくために、「うさぎがお月さまへ帰った」という言葉を使うようになったのではないでしょうか。お月さまで仲間たちと元気に暮らしている、またいつか会えるー。うさぎとの暮らした日々を私たちの元気の源にしていく、こうした発想の転換がペットロスを乗り越えるには必要です。

虹の橋のふもとでペットたちが待ってくれているという有名な詩もありますね