うさぎの飼い方

他動物との暮らしはうまくいく?

すでにうさぎがいるおうちで別の種類のペットをお迎えしたい、あるいは別の種類のペットがいるおうちで新たにうさぎをお迎えしたいなど、いろいろな事情でそのようなケースがあると思います。そこでもしもお迎えを予定しているのであれば、その前に知っておきたい気を付けたい点や仲良くできるかといった、一緒に暮らすための情報をご紹介します。(うさぎと暮らすNO.16より)

うさぎの性格を見極める

性格もうさぎそれぞれ

『うさぎは、他の動物とは飼わない方がよい』という面は確かにあります。例えば先住がうさぎである場合で新たに犬を迎えたとします。うさぎは犬の鳴き声や走ったり、自分に近寄ってくる、飼い主さんが犬を構う…といった様子にストレスを抱えてしまうこともあるでしょう。それまでうさぎだけに十分な時間をかけてあげていたお世話ができなくなり、飼い主さんとの信頼関係も変わってくるかもしれません。
ただし、うさぎは十兎十色。うさぎ同士、また他の動物とも仲良くできる子もいれば、人間に対してさえ警戒心を持ち、1匹でいることを好む子もいるでしょう。親子・兄弟だから、同じ品種だから仲良くできるとは限りません。個々の性格によって共同生活の向き不向きもあります。また仲良くなるには、性別や性格によってかかる時間もまちまちです。うさぎの性格を知り、その子に合った生活環境を作ってあげるのが私たち飼い主さんの役割です。気長に構え、しっかりと見守った上で1匹で飼うのが合う子、複数で飼うのが合う子を見極め、その子に合ったライフスタイルを見つけてあげましょう。

実際、編集部で見てきたおうちでは犬、猫、チンチラ、モルモットといったペットと上手に暮らしているケースを取材したことがあります。

うさぎ同士の複数飼い(多頭飼い)については下記をご参照ください。

多頭飼いを始める前に…PART3 我が家の場合うさぎの多頭飼いについて、うさくらスタッフの実際のうさぎとの生活をお届けします。今現在3うさ。多頭飼いを考えている方に読んでいただけたらと思います。...

他の動物とうさぎの共同生活

相性のよい動物、わるい動物

自然界でのうさぎは被捕食動物で、常に他の動物に食べられるかもしれない危険と隣り合わせで暮らしています。また縄張り意識の高い動物ですから基本的には他の動物と一緒に飼うというのは、とてもストレスのかかることかもしれません。
しかし、どんな動物であっても小さい頃から他の動物と接していると、仲良くできるケースもあります。小さい頃から他の動物と一緒にさせることで、それを自分の環境として認識し、受け入れやすくなるのです。ただし、初対面が大切。初めにうさぎに恐怖心を与えてしまうと、仲良くなるのは難しいでしょう。他の動物と飼う時もすぐ一緒にはせず、最初は顔を合わせるだけ、その後徐々に会わせる時間を長くしていくなど工夫をしましょう。なお、うさぎが先住である場合、他動物との関係性が上位にあるのでうまくいくこともあるようです。

犬とうさぎ

人間との暮らしの歴史の長い犬は、飼い主がうさぎを大切にしていれば、うさぎをご主人様の大切なものと判断し、うさぎを大切に扱おうとします。ただし、もともと狩りを手伝っていた歴史を持つビーグル、コーギーやダックスフントな狩猟犬は、悪気がなくてもうさぎに飛びついてケガをさせてしまう可能性があるので、注意しましょう。

猫とうさぎ

猫は、単独行動を好む動物です。しかし、人間と暮らす猫は、自分にとって心地良い一定の距離を保つことが得意です。うさぎともつかず離れずの関係を作り、飼い主さんが大切にしているうさぎとうまくいくケースもあります。ただし、捕食動物や本能的に動くものに反応して追いかけることがあるので、常に見守るようにしましょう。

鳥とうさぎ

手乗りインコや文鳥など小さな鳥は、比較的仲良くできます。ただ、音に敏感な性格のうさぎは、鳥の鳴き声に驚くことがあります。また、フクロウやハヤブサのような肉食、雑食性の強い鳥は、うさぎの天敵。共同生活には向いていません。

チンチラとうさぎ

同じ草食動物同士、ごはんも似通っているので実際に一緒に飼育されている方も多いようです。性質は穏やかで懐きやすいのでうさぎとの相性も悪くありません。うさぎよりもチンチラの方が寿命が長いことを知っておきましょう(20年近い子も)。チンチラは夜行性で、個体差がありますが部屋んぽや遊んであげる時間も必要です。

ハムスター、モルモットとうさぎ

ハムスターは、お互いに危害を加えない相手同士、比較的仲良くできます。モルモットは肺炎の原因の一つといわれるBordetella bronchisepticaといううさぎと共通の菌に対する感受性が強く、うさぎでは無症状でもモルモットにとっては、重症になることがあるので、避けた方が良いでしょう。

フェレットとうさぎ

うさぎにとってイタチは、自然界で最も身近な天敵の一つです。そのためイタチ科であるフェレットは、肉食動物であることと縄張り意識も強いのでうさぎとの共同生活には向かないでしょう。お迎えを望む場合は完全にお部屋を分けてあげることが必要です。

仲良くなれる秘訣

うさぎ本来の習性、本能、そして性別での違いをふまえ、実際に仲良くなれる秘訣をご紹介します。

先住うさぎを尊重する

これから別のペットをお迎えする場合、先住うさぎを尊重することが大切です。うさぎ社会では、一旦上下関係がはっきりすれば、お互いに信頼関係が生まれ、平穏に暮らすことができます。そのためには飼い主さんがしっかりと家の中での順位づけを行っておくことが大切です。
一般的には、先に飼ったうさぎを一番とし、食餌、掃除、遊びなど全てにおいて一番のうさぎを優先し、二番目の子は必ずその後、というように厳しいルールを作ります。それによって、うさぎにも順位が認識され、先住うさぎをボスとし、同じ家の中での集団生活を円滑に行うことができるようになるでしょう。
うさぎの性格によっては、先住のうさぎが後からやってきたうさぎに従うということもあります。しかし基本的には、飼い主の中ではいつでも順位をはっきりさせておくこと、かわいいからと妥協することなく、うさぎの習性を理解した上で時には厳しく接することも必要だということを心に留めておきましょう。

性格を見極める

すでに犬や猫などがいるおうちの場合、新たにお迎えするうさぎの性質的に望ましいのは、もともと人懐こい子や好奇心旺盛、おっとりした子です。環境の変化にも柔軟で比較的複数飼いに向いています。しかしショップにいるときのスタッフさんの評価と実際におうちに来たときは変わってくることがあります(ショップではまだ幼いため)。一方、警戒心の強い子ややきもち焼きの子は、他の動物、新しい環境を受け入れにくいでしょう。しかし仔うさぎのうちであれば、環境になじみやすいこともあります。自分を見てもらいたいから、必死にアピールするようになったり、嫉妬から噛むなどの行動を取るようになることもあります。今までと違う行動が見られたら、何が原因なのかを見極め、それを私たちがカバーしてあげることが大切です。

愛情のかけ方

うさぎはとても敏感な動物です。飼い主さんの感情の変化を敏感に察知します。ペットが2匹いたら1/2になるのではなく、2倍になるように愛情を注いであげるようにしましょう。また1匹だけに愛情が傾かないように、どのペットにも同じように愛情を注ぐようにしてください。

仲良くなるきっかけを作る

体格差があるペット同士がケンカになるのはけがを伴います。最初は、相性を観察していくことが大切ですが、顔を合わせて殺気立った雰囲気を感じたら、すぐに離すようにしましょう。そして徐々に会わせる時間を長くして仲良くするきっかけを作ってあげましょう。
犬や猫は部屋で放し飼いになるので、どうしてもうさぎに寄っていってしまうでしょう。その際、うさぎの反応が驚いて走って逃げたり、萎縮してしまうこともあります。その場合は、お互いのテリトリーであるケージや部屋ではなく、別の部屋や外など、テリトリーではない場所で一緒にするといいかもしれません。また、どんなに仲が悪くても、うさぎは記憶力が強い動物ではないので、逆にしばらく会わせないことで、お互いを忘れてまた再会させるきっかけを作るのも有効です。

起こりうるトラブル

複数のペット同士が安全に楽しく暮らすために。起こりうるケガ、病気について考えてみましょう。

外傷

うさぎはケンカで相手を噛むことがあり、歯が鋭いので大きな傷を負わせることもあります。気性の荒いうさぎは戦って、顔周辺に傷を作ることが多いですが、弱い子はお尻を噛まれることが多いようです。噛まれる前にうさぎを引き離すことが第一ですが、もし噛まれてしまったら、傷口から細菌が入って化膿してしまう恐れもあるので、すぐに動物病院で傷口の手当てをしてもらいましょう。

パスツレラ症

パスツレラ菌の感染で起こるパスツレラ症は人と動物の共通感染症の一つです。猫。犬は口内や爪に保有していますが、発症しません(猫の方が保有する割合が高い)。うさぎの場合は潜在的に保有していることが多く、(免疫力低下やストレス、何らかの病気によって)発症すると、鼻水やくしゃみ、涙のスナッフル症状から内耳炎、肺炎などに悪化することがあります。

予防としては犬・猫を扱った手でそのままうさぎを触ることはNG、犬猫がうさぎを噛むといった場合はすぐに病院へ行くようにしましょう。うさぎが複数いる場合は、感染したうさぎと隔離して過ごします。

ノミ

犬、猫から感染します。ネコノミ、イヌノミがおり、近年はネコノミの方が多いそうです。皮膚を刺咬して吸血するので激しいかゆみが伴ない、赤く腫れるなどの症状が出ることもあります。かゆみや脱毛が見られます。ノミは体長2㎜前後で肉眼で気づくことができるので発見したり、激しくかく様子があったらすぐに病院へ行きましょう。

新型コロナウイルス

人からペットへの感染例が報告されています。飼い主さんが感染して、おうちのペットとして同居率が高い犬猫に感染しているということです。そのほか世界各国で新型コロナウイルスに感染が確認された動物ではトラ、ライオン、ミンク、ネズミ、サル、鹿などが報道されています。今のところペットから人に感染した事例は報告されておりませんが、動物由来感染症の予防のため、過度な接触は控え、接触した後は、手洗いや手指用アルコールでの消毒を行うようにしましょう。

どうしてもふれあい時間の中でその都度、手洗いということは大変ではありますが、大切なペットのためです。

●複数飼いの醍醐味
うさぎ同士、またうさぎと他の動物を飼う時、仲良くできるかどうかは、性別・種類での相性はもちろんありますが、それよりも各々の性格による部分が大きく影響します。
うさぎは1匹でも充分幸せです。けれども、うさぎによって仲の良い動物が傍にいることで安心感を持つことができたり、飼い主さん自身も様々なペットと接することで、よりうさぎと暮らす楽しさが広がっていくこともあります。
どんな飼い方を選んでも、うさぎ本来の習性や本能、そしてうさぎの性格を私たち飼い主さんが理解し、この子はどんな性格なのか、どんなものに興味を持ち、何に対して怖がるかなど、個性を見極めて暮らしていくこと、そして何よりもうさぎの幸せのために努力していくことが私たちとうさぎの仲を深めることにつながっていくことは間違いないでしょう。