うさぎの飼い方

多頭飼いを始める前に…PART3 我が家の場合

これまで2回にわたり、多頭飼いについて述べてきましたが、我が家(スタッフのふわ家)は今現在3うさおり、多頭飼いでなので、今回は総論と、あくまで我が家の場合ですが、多頭飼いを考えている方にも読んでいただけたらと思います。

きゃさりん&のの&苺ちゃん
多頭飼いを始める前に…PART2うさぎの多頭飼いの具体的なメリット・デメリット、お部屋での注意事項についてご紹介します。...

先住うさぎとの相性

ほとんどの方が「今おうちにいるうさぎさんと新入りのうさぎさんが仲良く遊んでいる」のを想像してお迎えをすると思います。が、だいたいそうはいきません! 元々縄張り意識の強い生きものですので、先住のうさぎさんは新入りさんを追い出そうとしたり、上下関係をつけるためにけんかをふっかけたりすると思います。威嚇のし合いやちょっとした小競り合いで済めばまだマシですが、大怪我にも繋がりかねません。

またオス・メスが一緒ですと子供ができてしまいますので、去勢や避妊についても早い段階で決断をしなければなりません。おうちの子の赤ちゃんが見たい(欲しい)というのもよく聞きますが、出産は命がけ、また多い時には8匹以上も生まれることも。ママになる子の健康と生まれてくる子の将来まで考えたうえで、おうちの子の子供を産ませるべきか判断してください。

先住うさぎさんとの相性が合わないとへやんぽの時間も別々になりますので、その場合それだけの時間を作ってあげられるのかもとても大切なポイントです。仲良く遊んでくれたり、寄り添ってリラックスしてくれたり、毛づくろいしあったりという具合に相性が良い子も♪

最初はケージ越しでもけんかをしていたけれど、年と共に落ち着いてきて仲良くなった。また仲良くはしないけどお互い「あっ、いたの?」くらいでそれぞれマイペースに遊んでくれるなんてこともありますので、のんびり・まったり、各々の性格や日々の過ごし方をじっくり観察してご対面の機会や時間を増やしてみるのも良いと思います。

また、兄妹同士でも子供の頃は仲良く遊んだりしていても、成長して思春期を迎えるにつれ、縄張り意識なども芽生えますので、その頃から喧嘩などをし始めるようになったりというのもあり得ます。

生後2ヶ月未満のミニレッキスの兄妹ちゃんたち
オスメスなので性成熟すればやはりケージもへやんぽも別々にしなければなりません。

我が家の場合

我が家はみんなロップちゃん。女の子2匹(苺ちゃん8歳・上ロッピー9歳)に男の子(てんぱち3歳)がおります。女の子同士は若いころからバッチバチにやりあってケージ越しでもパンチしたりお鼻を突っ込んだりとちょっかいを出すので、一緒にへやんぽなんてとても考えられません(笑)。

ひとりで遊ぶのが好きな子もいます♪
ケージ越しでも喧嘩してしまう場合、
さらにガードをしてあげることでお互いの怪我防止にもつながります。

男の子のてんぱちは誰でも大好き!とにかく甘えたい!地球上の生きものはみんな友達みたいな性格なので先住のお姉さんうさぎたちのことも大好きです♡ただ、てんぱちは現役の男の子で苺ちゃんも避妊手術をしておりませんので、この2匹を一緒にへやんぽさせることはなく、いつも上ロッピーお姉さんと一緒にへやんぽしています。それぞれ好きなことをしたり、猫に毛づくろいをしてもらったり、疲れたら寄り添って休んだり、ふたりの相性は良いようです。毎年春頃になるとてんぱちが浮かれてしまい、しつこくマウンティングをしてしまうので、その時期は別々にへやんぽをさせています。それぞれの気持ちや気分を尊重してへやんぽの時間やローテーションは臨機応変にするようにしています。

てんぱち&Matthew
うさぎさんとにゃんこさんも相性次第!

スペース

うさぎさんが増えれば、ケージの数も増えます。さらにケージを置くスペースはあるのか。また、ご飯などもまとめ買いをすることが多くなると思いますのでご飯のストックや用品を置く場所も確保しなければなりません。へやんぽスペースも2匹以上で一緒にすることになれば広いに越したことはありません。

我が家ではうさぎさんの居住スペースはダイニングに。へやんぽはダイニングから私の寝室まで来られるようにとしています。こうしていると走る直線距離も確保できますし、休む場所、それぞれのお気に入りの隠れ場所もあり、なにより私がどこの部屋にいてもうさぎさんの姿を見ることができるのです♡

費用

新しいうさぎさんをお迎えするのであれば初期費用は必ずかかります。毎月にかかる必要経費、ご飯代や消耗品なども単純計算をするならば2匹になれば2倍、3匹になれば3倍とかかるわけです。病院代もそれぞれかかりますし、うさぎ間で移ってしまう病気などにかかってしまったらおうちの子をみな一緒に通院させなければなりません。各々ペット保険に入るのか、入ったつもりで日々積み立てていくのかなど、うさぎさんにかかるお金の管理はとても大切です。家族が増えれば費用も増える。お財布事情もきちんと考えましょう。

ご飯や用品などはまとめ買いをすると安くなったりしますので、ストック場所などがあるようでしたらまとめ買いがお得です♪ただし、悲しくなるほど誰も食べてくれなかったり使ってくれなかったりもありますのでお気を付けくださいませ。同じメーカーのものでも材料に変更があって食べなくなったり、特にチモシーは時期によって質もかなりかわったりしますのでまとめ買いの際には注意してください。

手間と時間

「手間」と書くとちょっと響きがよろしくありませんが、うさぎさんの数が増えれば食事の世話や掃除に割く時間、備品の数(経費)も増えます。ケージの外に食べこぼすチモシーの量も増えます。へやんぽの時間も長くなります。病気や老いで介護が必要になれば普段のお世話以上に時間が必要になります。

私自身、それを手間だとか面倒だとかはあまり思わず、それすらもハッピータイム!と思って、楽しみながらしているので、全く苦ではないのですが、時間だけはどうしてもかかってしまいます。それでも、働いていればどうしてもうさぎさんに割いてあげられる時間にムラもできてしまいますし、うさぎさんのお世話の時間のために自分自身が好きなことをする時間(趣味だったり睡眠だったり)を削らなければならなくなることもありますので、時間割のコントロールもきちんとできるのか…。身も心もしんどい時や大変な時にそのしわ寄せが全てうさぎさんのための時間にいってしまわないようにできるのかを考えてみてください。

最後に…

こんな具合でざっくりとまとめましたが、ここに書ききれない些細なちょこっと大変なことや楽しいことはまだまだたくさんあります。

うちの場合「みんな仲良く」とはいっておりませんが、それでもうさぎさん同士お互い認識しあい、良い意味で刺激になっているのかなと思います。9歳の上ロッピーは膿の影響もあってすでに両目が見えません。ひとりでへやんぽするとお部屋を1周して満足。すぐに寝てしまうので運動不足がちになってしまうのですが、てんぱちと一緒にへやんぽをするとせっつかれてというのもあってか、ひとりの時よりいろんな所にてってこ走りまわってくれます。

私自身がつらい時、知ってか知らずかいつもと変わらず盛大に「遊ぼー!」ってしておしっこひっかけてきたり、いつもはギリギリ手の届かない距離で無防備なごろんちょをする子が、そんな時だけギリギリ手の届く距離でごろんちょをしてくれたり。まるで「今日だけもふもふしてもいいよ。今日だけだからね。」とお尻で語っているよう(笑)。

先住の子が亡くなってしまった時もとても支えられました。とてつもなく悲しくて、辛くて、さみしくて、やりきれなくて、何もする気がおきなくても、今いる子たちのお世話だけはちゃんとしなくちゃ。お仕事行ってみんなのご飯代稼がなくちゃとさせてくれました。そのために多頭飼いをするわけではありませんが、その時いてくれた子たちが私にとって心身ともにとてつもなく大きな支えになったのは事実です。

うさぎさん1匹1匹でこれほどまでに性格が違うというのも教えてくれました。

なんでもかんでもゴミ箱から引っ張り出してかっぱらっていく苺ちゃん
いたずらの仕方もみんな様々です(笑)。

似ているところもそれぞれあれど、同じことに対しても捉え方も違う、反応や対処の仕方も違う。人間と全く一緒。みんな性格もそれぞれでキラキラした素敵な個性が溢れているんだなぁと毎日思います。

なんだかまとまりが無くなってしまいましたが、多頭飼いをしようか考えている方の準備のお手伝いや、今多頭飼いをしている方のお悩み解決のお手伝いになったり、また「それある!わかるー!」なんて気持ちになっていただけたら嬉しいです。

考えた末に、やはり我が家は今おうちにいる子1匹だけで!となるのも。おうちのうさぎさんはあなたがいてくれれば、あなたがその子をたくさん愛してくれればさみしくなんてないと思います♡

可愛い♡としか言いようがない(笑)
ABOUT ME
不破麻里亜
原宿で昨年まで営業していたものの惜しまれながら閉店した『うさぎと遊べる専門店 Ra.a.g.f』のオーナー。うさぎへの愛情は誰にも負けません。