うさぎの健康

季節ごとの過ごし方――寒さ対策編

うさぎの健康に気を付けたい時期はいつでしょう? 比較的寒さに強いといわれているうさぎでも、昼夜の気温差に注意したい冬。そして、毛が抜け変わる換毛期。あともう少し寒い日が続きますので、ストレスなく快適に過ごせる方法を見つけてあげましょう(『うさぎと一生暮らす本(当社刊)』より)。

なぜ寒さ対策をするの?

うさぎの身体のしくみ

うさぎは夏から秋へ、冬から春へと移行する季節の変わり目に換毛し、季節に合った身体を作ります。これは、人間でたとえると衣替えのようなもの。冬の準備をするための換毛は、毛の密度を増すことにより保温力を高め、冬の寒さにも耐えられるよう身体づくりをしています。
また、うさぎは寒くなると、身体を丸め、体温が奪われていくのを避けようとします。狭い場所に入りじっとしているのは、自らの体温で周囲の空気を温め、体温が奪われるのを防ぐため。このように、うさぎはある程度の寒さには対応できますが、気温によっては対応しきれずに体温が低下してしまうこともあります。特に仔うさぎは、身体が小さい分体温を維持する能力が低いため、初めて迎える冬は注意が必要です。
人間が少し肌寒いと感じ始めた頃からケージを布などでカバーしたり、ペット用のパネルタイプヒーターなどを設置し、うさぎが温まりながらくつろげるようなスペースづくりをしてあげましょう。
パネルヒーターを設置する場合は、長時間同じ場所にいることによる低温やけどを防ぐために、そこから逃れられるスペースも必ず用意しておきましょう。

すきま風に注意

人間が寒く感じるような気温になると、うさぎの動きは活発になります。これは、動くことによって代謝を盛んにして食欲を増し、身体に脂肪を溜め込むことで、来るべき冬に備えるため。
しかし、この時期に注意したいのが、すきま風による体温低下。すきま風による急激な気温差により体温を奪われ、あっという間に具合が悪くなることもあります。
すきま風を防ぐために厚手のカーテンやブラインドなどを用意し、部屋内の温度が下がらないように工夫しましょう。ただうさぎによっては、カーテンの裏がお気に入りの場所ということもありますから、常にうさぎのいる場所に気を配ることが大切です。

冬支度の進め方

心配しすぎないで

冬支度として、ケージの一箇所にペット用のパネルタイプヒーターを設置し、ヒーターの上にはうさぎがくつろげるマットや巣箱を置いてベッドを作ってあげましょう。うさぎは、寒ければヒーターの上で丸くなるでしょうし、身体が温まればヒーターのない場所へと移動するはずです。あとは、ヒーターで温まった空気が再び冷えることのないようにある程度、ケージの周囲を囲うことで寒さ対策は完成です。
うさぎが寒くないようにとケージにヒーターをいくつも設置したり、室温も高めに設定したくなるものですが、温めすぎはかえって体調を崩してしまう可能性もあります。
うさぎは体毛で保温されるため、寒さには比較的強い動物です。おおらかな気持ちで見守ってあげましょう。

シニアの子はヒーターを一年中使用するケースも… モデル/ラビちゃん

高齢うさぎ

一般的に老齢期を過ぎたうさぎは、活動が緩やかになり、その分寝て過ごす時間が長くなります。それまで体調に変化もなく、元気に過ごすことができていても、気温差などがきっかけで突然食欲が低下したり、いつも見せる反応を示さなくなったりします。
季節の変化にもスムーズに対応できるように、室内の気温差を少なくし、快適に過ごせるバリアフリーな環境の中で暮らせる工夫をしましょう。

品種の違い

冬の身体づくりのための換毛は、長毛種、短毛種ともそろそろ抜け始めると思われる時期に皮膚の下から新しい毛が生え、古い毛が押し上げられるように盛り上がって抜け始めます。毛の長さによる見た目の違いはありますが、寒さ対策は長毛種、短毛種によってほとんど相違はありません。品種の違いに関係なく、室内の気温差が出ないように工夫しましょう。

闘病中のうさぎ

闘病中のうさぎは、身体の免疫機能も下し、血液の循環も悪くなりがちです。寒さによって身体の冷えの影響を受けやすくなるため、身体を温めてあげることはとても大切です。
通常の寒さ対策でも十分ですが、この他にも患部にぬくもりが伝わるようにセラミックヒーターなどを設置するといいでしょう。身体が温まることで、血液循環も良くなるはずです。また、気温差や冷えにより体調を崩した時には、日頃の寒さ対策に加え、マッサージをするなどのケアをプラスしてあげるといいでしょう。

寒さに負けないトラブル対処法

換気

寒さ対策としてケージに毛布やフリースなどの布をかけたり、ダンボールでケージを囲むことはとても有効ですが、ケージ内の空気がこもりがちになります。空気がこもるとケージ内のトイレの尿のアンモニア臭もこもり、体調を崩すこともあります。またケージが不潔になることで細菌感染しやすくなります。
ケージ内はときどき換気をしたり、通気性を良くするなどの工夫をして、清潔に保てる環境づくりを心がけましょう。また、ケージカバーは蒸れない素材を選び、ヒーターもトイレのそばには置かないようにしましょう。

対処法

  • アンモニア臭がこもらないように、トイレはこまめに掃除する
  • 一日一回は、カバーを取り外し換気する
ケージ内は清潔に

昼夜の温度差

天気のいい比較的温かな日でも、日が傾き始めるとともに気温は急激に下がり始めます。そこで注意したいのが、うさぎのいる場所。たとえば、ケージが窓際にあって、気温が下がってもうさぎが移動できなかったり、室内で放し飼いの場合、窓際から暖かい部屋へ移動しようとした時、ドアが閉められていて入れなかったりすることがあるかもしれません。常に飼い主さんがうさぎのいる場所を把握し、気温差に注意しましょう。
食餌を終えたうさぎやリラックスして寝ているうさぎは、足を投げ出して寝そべることがあります。しかし一見同じように見えても、うさぎに食欲がなく、大好物にも見向きもしない、さらにはお腹を床に押しつけ変に身体をくねらせている姿を見せたら要注意。これは身体の冷えが原因で胃腸の働きが弱くなり、元気のない状態です。さらに症状が悪化すると尿失禁や、うずくまる、歯ぎしりをする、頭が小刻みに揺れるなどの症状も出てくることがあります。かかりつけの獣医師に相談すると共に、身体を温めてあげましょう。

対処法

  • ケージが窓際に設置されている場合、窓からの冷気を防ぐ工夫をする
  • 気温差の激しい場所に留まらないよう配慮する
  • 身体を温めると同時に、お腹を蒸しタオルなどで温める


(おわり)