毎号お宅訪問してアドバイスしている小誌の好評企画「抱っこ講座」。これまで寺村万紀アドバイザーと編集者でおうちにお伺いして、家庭環境や普段の触れ合い方を見つつ、うさぎの体に合わせた抱っこを飼い主さんへご案内してまいりました。おうちの中に行くというのがポイントで、多くのうさぎが出先では緊張感から『抱っこできてしまう』ので、普段の生活スペース、テリトリー内でできるようにしていただくのがポイントです。
さて今号の講座に登場したラリオくんですが、抱っこをできるようになりたいというご要望でお伺いしましたが、その際に体全体を見てアフターフォローの必要性を感じ、その後も寺村アドバイザーにアフターケアへ行ってもらいました。月に1回伺って計3回、どのように変化したのかお届けします。本誌と併せてお読みください。
寺村万紀…本誌抱っこアドバイザー。日本ペットマッサージ協会公認セラピスト、日本アニマルフィトセラピープラクティショナー、愛玩動物飼養管理士 2級

ラリオくんを見て気になったこと… 談:寺村万紀


ラリオくんを最初に見た時、大きな毛玉があることが気になりました。毛がボコボコしていてきちんと毛が生え変わっていないようにも見えました。
全身のチェックをしたところ、足の内側に毛玉があり、少し赤く炎症を起こしていて、お尻も尿汚れで毛玉になっていました。
ボディは少しぽっちゃりしていて、ダイエットが必要に思えました。
1度目の訪問(雑誌企画)では、抱っこやブラッシングの仕方のほか、うっ滞を発症することがあるということで、普段の食事内容を見せてもらい、食生活のアドバイスも行いました。



ケアが必要な箇所
・体重コントロール
・早急に毛玉を取る必要があること
・毛玉を取らないと炎症起こしたり、うまく換毛ができずに不必要な体力消費でラリオくん自身のストレスとなること。
・尿汚れでお尻が汚れる原因を特定し、生活環境を変える必要があること。
訪問ケアが必要だった理由
・ラリオくんを元の飼い主さんから譲り受け、毛玉を約3年放置していた状態のため、ブラシだけでは毛玉を取るのは難しい。ハサミを使用するには保定が必要。不慣れな場合、ケガをさせるリスクが高くなる。
・飼い主さん自身がグルーミンググッズを持ってはいらしたが、使い方がわからない。
・お尻の汚れも長期に渡っているため、シャンプーした方がよいが、元気な子なのでシャンプーすると暴れる可能性がある。


現在までに行ったケア
①お尻のシャンプー
②毛玉取り
③食餌内容・生活環境の見直し
どうしてお尻が汚れるのか原因を特定しました。
ラリオくんはへやんぽの時にキッチンの所でおしっこをし、その上に座ったりすることが原因ではないかということを突き止めました(3週間ぐらい観察)。
毛のタイプは短毛ですが、お尻の毛が多く長めだったので、少しハサミでカットをしました。お尻以外の毛玉もシャンプーの前に大まかにハサミでカットしました。
うっ滞になりやすいということもあり、食餌に関してのヒアリング等で改善点をお話ししました。
ペレットよりもおやつがメインになってるところがあるのでペレットから見直してもらいました。
部屋のマットを足に優しい物に変更。



ケアを始めてから…


改善された点
犬用のフラットなトイレをおしっこする場所に設置してもらい、お尻の汚れ具合をラリオママさんに見てもらいました(2週間ぐらい)。
汚れにくくなってるので毎回のシャンプーは不要。通常のグルーミングケアで十分と判断しました。
牧草+ペレットにする事で牧草を食べる量が増え、うっ滞にも1度もなっていない。
体重も1.17kg⇒1.1kg(約3ヶ月)
※獣医さんからも体重に関しては指摘はされていた
・ラリオママさんにお願いしたこと
日々、見る・触るなどの観察し、ひどくなる前に対処する。
換毛期以外でも毛は抜けるので軽くグルーミングし、お互い慣れること。
体重・食餌コントロールをする。
ラリオママさんより
アドバイスをいただくまでは、日中仕事で家を開けるので、お腹をすかしてはかわいそうだと思い、ペレットを多めに準備していました。また夜寝る前にはオヤツとして乳酸菌や毛玉コントロールのペレットと食いつきのよい緑のオーツヘイを日々食べさせていました。
アドバイスをいただいてからは、ペレットの種類は基本1種類、今までの半分くらいまで減らし一日2回、夜のオヤツもほんの少し、1番刈りの牧草をたっぷりの食生活にしたところ、日々牧草に嬉しそうに食いついています。たくさんうんちも出るようになりました。スリムになったので動きが軽くなりました。体重は7/7現在、1.08kgでした。毎日ペレット完食牧草たっぷりの日々です。
寺村先生のお尻ケアでお尻の毛が整い、食生活との相乗効果で毛並みもよくなってきました。うっ滞症状は4ヶ月間出ていません。
抱っこやグルーミングについては基本嫌がっていますが、あきらめてなでさせてくれる時もあります。
ラリオの健康のために、今の食生活と見る、触る、ケアする等コミュニケーションを日々継続していきます。
●ラリオママさんご提供のお写真




小誌抱っこ講座について
抱っこマスター寺村さんと編集部がみなさんのお宅に訪問して、おうちの環境を見ながらうさぎの保定=抱っこを直伝しています。それをそのまま誌面でレポートしています。
ご応募はうさぎの抱っこがうまくできない方に向けて常に受け付けていますが、私たち取材陣もお宅へお邪魔するという形式なので、SNSで気軽に受付というわけにはいきません。
本誌・うさぎと暮らすの抱っこ企画を一度読んでいただいた方に限定します。応募については誌面の85ページをご参照ください。ご応募いただいてからメールでしばらくやりとりがあります。
地方にお住まいの場合は、スケジュール調整にお時間をいただきます。
放し飼いの方や若くてやんちゃな子は少し時間がかかりますが、ほとんどの方ができるようになります…。