うさぎの基本

災害に備えよう うさぎとの避難対策

東日本大震災からもうすぐ12年。つい先日もトルコ・シリアで大地震がありました。大規模地震が起こる可能性が常にある日本で、うさぎと共に災害を乗り切る準備はできていますか? 災害時、地域の防災拠点等にペットと一緒に避難する人も相当数にのぼることが想定されます。今回はうさぎと一緒に避難するための対策を考えてみましょう。(「災害時のペット対策(横浜市)」「うさぎと暮らすNO.45」参照)

①飼い主さんの明示をする

災害時にはペットと離ればなれになってしまうこともあります。犬や猫のように首輪がつけられないうさぎは、特にはぐれないように注意しましょう。災害時は動物保護センターなども正常に機能しないことも考えられます。
対策のひとつが、マイクロチップを装着すること。犬猫は装着が義務化されましたが、うさぎも飼い主さんが希望すれば装着することができます。専用の注射器で皮下に打ち込み、痛みはほとんどないので麻酔なしで処置できますが、繊細な子には局所麻酔を使用したり、避妊・去勢手術などで麻酔がかかっている時に併せて装着することもおすすめです。

↓マイクロチップについて詳細はこちらの記事を参照ください
「マイクロチップ義務化によせて―」

首輪の代わりとまではいきませんが、キャリーバッグにうさぎの名前や飼い主さんの連絡先を記載しておくことも大切です。ハーネスを嫌がらないコなら名前や連絡先を書いて着させることも可能ですが、普段と違う避難所という環境でハーネスがストレスにならないか、よく様子をみましょう。

ハーネス装着時

②しつけをしておく

犬や猫と違って鳴き声の対策や散歩の必要などはありませんが、たくさんの人が集まる場所なので清潔を保つことは大切です。限られたスペースでキャリーやケージの掃除やブラッシングがスムーズに行えるよう、普段から抱っこの練習をしておくと安心です。
災害時にパニックになってしまった時や、どうしても抱っこが苦手な人は、爪が引っかからない素材の大きめの布などでうさぎをくるむとキャリーにうつしやすいでしょう。ケガをしないように気を付けて、そうした練習をしておくのもよいかもしれません。

視界を遮るとおとなしくなることが多い

③健康管理をする

日ごろからうさぎの健康状態に注意し、ダニの駆除や感染症の治療などしておきましょう。また、避難所の状況や自分がケガをするなどして、うさぎを他人に預けなければならない可能性もあります。うさぎの名前、健康な状態の体重、食餌・飲水量、排泄物の様子、病歴、服用している薬屋、マイクロチップの番号などを記録し、避難用品に入れておきましょう。

④預け先を確保する

いざという時のために、親戚、友人などペットの預け先を探しておきましょう。うさぎは体調の変化を見極めるのが難しく、理解のある人に預けることができると安心です。また、災害時は近くに住む人は自分と同様に被災しています。遠方にも助けてくれる人がいると、なお良いでしょう。

過去の災害時に避難所で起きたこと…

東日本大震災では、多くの自治体が応急仮設住宅でのペットの飼養を可とする方針を示したものの、実際にペットとの同居に結びつかなかった事例が多数見られました。その理由として、「他の入居者や応急仮設住宅の自治会での承認が得られなかった」、「応急仮設住宅での飼養ルールとして挙げられた室内飼いの規則にそぐわない犬(大型犬、室内に慣れていない犬など)を飼養していた」などがあげられました。したがって地域のペットの飼養状況に応じた応急仮設住宅での受入れ方針を理解すべく災害後は各自治体も検討し、対策準備を進めています。
これまでの災害時対応では、室内飼いをペットと同居する際の条件とした例や、ペットの飼養者専用の応急仮設住宅を設置した例、応急仮設住宅の近隣にペットの飼養施設を設置した例があります。

お住まいの自治体情報の確認を

うさぎとの避難に関しては特に平時に自治体への確認が必要となります。犬猫と比べて、各自治体の理解度も低いことが考えられます。また自治体により災害時のペットの扱いは異なります。平時のうちにお住まいの地域の情報を確認し、備えましょう。各地域の役所などでペット同行避難にするパンフレットをもらったり、インターネットで「○○市(お住まいの市を入れる) ペット 災害」などと検索すると情報が出てくるのですが、目を通し、不明の場合は電話で問い合わせましょう。

また自治体が年に数回行っている「防災訓練」にも積極的に参加し(うさぎ連れでなくてもOK)、うさぎと暮らす私たちの避難方法を自治体に尋ねてみたり、うさぎの存在を消防員、参加者さんたちにアピールしておくことはとても大切です。一緒に暮らしていない人々にとってうさぎという存在認識が薄い場合がしばしばあるからです。「うさぎってこんなに大切にされているんですね」とより多くの方に知ってもらう必要があります。

例:「横浜市 ペット 災害」

当サイトでは防災・避難企画を色々と取り上げておりますので、合わせてお読みください。

https://usakura.jp/?s=%E9%98%B2%E7%81%BD

※おわり