お迎え前は知らなかったことの一つ。うさぎの換毛です。
一緒に暮らすようになって、あまりにも大量の抜け毛に驚いたのではないでしょうか。お部屋中に飛び散ったり、目に入ったり、黒い洋服はご法度だったり(汗)…。一般的に意外と知られていませんが、うさぎは毛のお手入れが不可欠の動物です。今回から3回にわたり、うさぎの換毛についてご紹介いたします。
本来のうさぎの換毛とは
うさぎは本来、春と秋、年に2回大きな抜け替わりがあり、その他に2回抜け替わりがあると言われています。野生のうさぎは体感で季節の移り変わりを感じて被毛が生え変わりますが、お家の中で暮らすうさぎは、冷房や暖房で温度調整をしているため、季節を感じることなく暮らしています。
季節の変わり目の換毛には、日照時間と温度変化が関係しています。室内で飼育しているうさぎの場合、 温度変化が年間を通じてあまりないので、はっきりとした換毛の時期がなく、だらだらと長い期間抜け替わるなど、環境によって個体差があることがよく見られます。 なお、皮膚炎や真菌(カビ)などの症状がある場合は、部分的な脱毛やフケが見られることがあります。
規則性がない?
おうちで暮らすうさぎ
おうちのうさぎは、飼い主さんが毛の抜け代わりがスムーズに行えるよう、ブラッシングをしてあげて換毛のお手伝いをしてあげる必要があります。まずは換毛が始まったら、ブラッシングの回数を増やして抜け毛を取り除いて、うさぎが自分でグルーミングをして毛を飲み込まないようにしてあげることが必要です(毛球症予防)。
うさぎの毛の仕組み
うさぎは品種によって短毛・長毛といった特徴がありますが、どちらも同様に一定のサイクルで換毛期があり、発毛と脱毛を繰り返しています。
うさぎの被毛はダブルコートという構造になっている品種が多く、上毛のオーバーコート(ガードヘアとも言う)と下毛のアンダーコートの二重の構造をしています。
同じ穴から生えている長くて太い毛を「オーバーコート(一次毛)」、細くて短く柔らかい毛が「アンダーコート(二次毛)」で、それぞれ役割が異なっています。
- オーバーコート…皮膚を保護する
- アンダーコート…保温と保湿の働き
人の場合は(頭髪以外)皮膚から一つの毛穴から1本の毛しか生えていませんが、うさぎなどの動物は一つの穴から平均7~15本程度の毛が生えています。
夏毛と冬毛
うさぎは本来、春と秋に換毛期があり、そのつど大量の脱毛があります。春は外気温を「暑い」と感じるとアンダーコートが抜け落ち、オーバーコートに生え変わります。秋は外気温を「寒い」と感じたことによりオーバーコートが抜け落ち、アンダーコートに生え変わるというわけです。
換毛はうさぎにとってかなりエネルギーを使う時期なので、過剰にフードを増やす必要はありませんが、ぽっちゃりしているうさぎにダイエットを試みるにはふさわしくない場合もあります。飼い主さんは『うさぎは換毛という仕事を頑張っているんだ』ととらえ、ブラッシングをすることで応援してあげましょう。
次回は短毛・長毛種の特徴やブラッシング法、毛が飛んでも困らないお部屋作り、次々回は避妊・去勢によるホルモンの乱れによる換毛についてご紹介します。
うさぎの換毛第2回はこちら。