スタッフコラム

台風による牧草の被害

2022年9月に日本列島を縦断した台風14号は、強い風と大雨を各地にもたらし、人々の生活環境だけでなく、農業の現場にも大きな被害を与えました。四国地方は、特に風の影響が大きく、風速何十メートルという強風で、農業ビニールハウスのビニールフィルムが破れた場所もあります。うさぎ畑の農園の牧草畑では、壊滅的な被害こそありませんでしたが、強風による影響を受けました。今回は、牧草に対する台風の被害をお伝えしたいと思います。

夏の牧草、夏イタリアン

下の写真は、夏限定の牧草の夏イタリアンです。夏の暑さに強く、強い日差しを浴びてグングン成長するタイプの牧草なのですが、葉先が茶色く枯れたようになり、葉っぱ全体も縦に縞模様が入ったような見た目になってしまっています。台風が来る直前までは、緑色のツヤツヤした状態の葉っぱだったのですが・・・これは、台風の強い風で長時間揺さぶられたためです。特に風の強い時間帯は、葉の先が地面に付くほどにしなって、左右前後に揺れたのではないでしょうか。こうなると、生牧草としての商品価値は残念ながらほぼありません。

夏イタリアンの枯れた葉先

オーツヘイの若葉

続いてオーツヘイの若葉です。9月に種をまいたオーツヘイ。台風が来るまでは、キレイな緑色の葉がそろっていたのですが、葉先が枯れたようになり、葉全体も茶色く変色してしまいました。ただ、オーツヘイはこれからどんどん成長していくステージのため、被害状況は夏イタリアンほどではありません。根元の黄緑色の若葉がどんどん成長して背丈が高くなり、枯れた葉を追い越していくようになります。

オーツヘイの若葉

まとめ

台風はいつやってくるか予測がつきません。そのため、農業現場では回数を分けて時期をずらして種をまくなど、被害を軽微する対策を行いながら、毎年牧草を栽培しています。ただ、台風など自然災害におびえているばかりではありません。自然の脅威は人間の力の及ばないものですが、実は自然災害のダメージよりも、自然の恵みの恩恵の方がはるかに大きいと感じるからです。毎年、自然の豊かさから受け取ることができる美味しい牧草。今年も無事にうさぎさんたちにお届けできることを願っています。

ABOUT ME
小島学 (オジママナブ)
うさぎさんのために生野菜やチモシー牧草を栽培している専門農家。 一羽のうさぎさんと暮らしており、日々癒されている。 うさぎ畑オンラインショップ(https://www.rabbitfarm.jp/)を運営中。 高知県在住。