うさぎと一緒に住んでよい賃貸住宅は、どれくらいあるのでしょうか。猫がOKならうさぎもOK? 一般的に賃貸物件の中でペット可の物件とはどのような内容であるのか、動物好きの神奈川県横浜市の不動産屋「チヨダコーポレーション」代表・篠田英介さんに伺いました。
どうやって探すのがベスト?
「ペット可の物件は、オーナーさん自身が動物好きというケースが多いと思います。そのために部屋の作りが汚れにくかったり、防臭効果のある壁や傷つきにくい床にしていたり、築深物件のところで多少汚れても仕方ないと割り切って貸し出しているのだと思います。
ペット可と表記されている物件は、おおよそ犬猫のことを指しています。犬と猫の両方が大丈夫なところもあれば、犬・猫のどちらかの場合もあります。犬は体重、体高制限をしている場合があります。ペットを飼育するおうちは年々増えていても、ペット可の物件はそれほど一気に増えるということはありません」
うさぎの場合…
「うさぎの場合は、かじるという性質から言うと、本来はペット可の賃貸物件に住んだ方がよいでしょう。通常の賃貸物件で、万が一うさぎが柱や敷居の溝などをかじって傷つけてしまった場合、退去時には修繕費が要求されます。
ここがペット可の賃貸物件であれば、敷金に修繕費が考慮されていることが多いので安心です。ただし敷金は、床、建具などに損傷が生じる可能性が高くなるため、通常物件より1ヶ月分ほど割高に設定されている場合もあります。
フローリングは養生してカーペット類を敷いて頂くのが最適ですが、ビニールシート(クッションフロア)のところであれば、爪で傷つくこともないだろうし、万が一、クロスをかじってしまったとしてもクロス(壁紙)は退去後にはがしてしまうので、それほど神経質にならなくても大丈夫です。ちなみに入居前に新しいクロスであるか、前の入居者のままであるかを確認しておくとよいでしょう」
〈参考〉原状回復義務︙国土交通省が定めた原状回復をめぐるトラブルとガイドラインについて
http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk3_000020.html
おしゃれな新築物件や駅近物件にこだわらなければ、ペット可物件もぐっと増えるのだそう。例えば猫可、と表記されている物件の場合、「うさぎです」と交渉してみたら交渉成立になるケースもあるかもしれません。
また、「ペット相談可」という物件もあるので、この場合は不動産屋に「うさぎが静かであること」「外出時はキャリーに入れて移動させること」など、うさぎが住環境に迷惑をかけないという印象をアピールしてみてはいかがでしょうか。それにより理解が得られる場合があるかもしれません。
また、調査では首都圏のみにはなりますが、【うさぎと暮らすことを専用とした】賃貸住宅を企画している企業もあります。空きがあるとすぐ埋まってしまうと聞いているので、今後、許可がもらえ次第、そうした物件を本誌でご紹介できたらと思います。
「最近はUR賃貸住宅(公団)にペット共生住宅があります。犬、猫、小動物(うさぎ、モルモット、ハムスター、リス、フェレット)、小鳥、魚類(金魚・熱帯魚等の観賞用)が飼育可能となっています。部屋の設備がクロスが取り替えやすい仕様になっていたり、防音、コンセントの位置が高かったり、ペットドア付きになっていたり、共有部に足洗い場やエレベーターにペットボタン(ペットと同乗していることを他人に知らせる)、換気口などがついています」。
うさぎは第3のペットといわれて久しいものの、一般的にペットとしての認知がまだまだ低いのが残念なところ。もっとうさぎ可の賃貸物件が増えてほしいものですね。そのためにもこれから不動産屋さんにうさぎの存在をアピールしていきましょう。
うさぎのためのお家探し必須条件メモ
・ エアコンが取り付けられる
・ 部屋の通気や換気がしやすい
・ へやんぽできるくらいのテリトリーが設けられる(1畳以上)
・ ストレス要因となりえる騒音がないか
・ 壁紙や木材に化学物質が使われていないか
・ 日当たり悪く、湿度が高すぎないか
・ うさぎを診てくれる動物病院が近くにあるか
ペット可物件の場合…
・ 居住者(主に両隣)のペットの種類を把握しておく
・ 防音や消臭、汚れ防止対策がされているか