「偏食うさぎの備忘録その1」の続きとなります。お迎え当初からとんでもない偏食だったネザーランドドワーフのZeroのお話です。その2では実際に行った対策、その結果と現在をご紹介致します。
文・写真/Lunaさん
実際に行った対策とは
じっくりと観察してみる
ペレットにしろ牧草にしろ、「自分の意志で口から食事を採る」というのはうさぎさんの健康を維持する為にとても大切なことです。元気に走り回っている以上、何かしらは口にしているはずということで、まずは彼のことをじっくりと観察してみました。そこでわかったことは
- ペレットを入れてしばらくすると諦めたようにぼそぼそとつまんでいる
- 大きいサイズのペレットも、小さすぎるペレットも好まない
- 大きくカットされているおやつは好まない
- 牧草は硬くても細めの部分をつまんでいる
- 構われるのが嫌い、なでなでも好きではない
- 人がいない時よりいる時の方が食べている
- ふわふわしたクッションや座布団が好き
上記より、まず我が家の大量のペレットの在庫を並べ全てサイズを測ってみました。その中から一切口をつけなかったペレットより小さいものを選び、1種類ずつあげていくことに。そして朝ペレットをあげた後、夜どのくらい残したかを確認していきました。1週間ほど様子を見てまた別の種類に変えるということを繰り返し、「1番食べる量が多い」ペレットに絞ることができました。
また牧草に関して、彼は硬さより細さを重視しているようだったので、1番刈チモシーから細めのものだけを集めてあげることにしました。その細いチモシーですら食べないときはクレイングラス、ウィートヘイ等細い牧草を混ぜてあげたり、「これはチモシーじゃないよ~美味しいやつだよ~」と誤魔化しながらあげるようにしました。
また、おやつに関して、うさぎさんへのおやつは不要という考えもありますが、私自身は ①うさぎさんのQOLを高める為 ②災害時や体調不良時等有事の際に食べられるものを増やしておく、という考えを尊重しています。その為なるべく彼が食べられるものを見つけておきたいという思いから、様々なタイプのおやつを試しました。うさぎさんの食として、「砂糖が含まれているものはNG」「グルテンフリー以外はNG」等いろいろなことが言われておりますが、有事の際に何も食べられないことのほうが怖い、とにかく食べてもらうことが大切だと考え様々なものを探しました。その中でも彼は「乾燥したものなら多少齧る」ということがわかったので、乾燥おやつを中心にあげることにしました。パパイヤや明日葉、りんご、葛の葉等、そのままあげることもあれば細かくしてペレットに混ぜることもありました。また、ブロック型になっているおやつはあまり好まず、同じ乾燥りんごでもスライスした薄いものしか食べませんでした。食べ物の切り方にも、彼はこだわりがあるようです。
(ちなみに、一番上のホーランドロップが何でも食べるタイプなので、余ったおやつはその子がほとんど食べました)
★ポイント:好みの硬さ・形をとにかく探す
距離感について考える
Zeroとの距離感について、彼はあまり撫でられるのが好きでないようで、なでなでしようとすると固まってしまっていました。そのため無理強いはせず、爪切り等のお手入れ以外は彼の好きなように過ごしてもらうことにしました。部屋んぽ中も噛まれて困るものは下に置かない、入られたくないところはサークルで塞ぐ等、目は離さないようにしても基本ほおっておいて大丈夫な環境を作りました。
ただ、人間とのコミュニケーションはうさぎさんにとって大切なものです。部屋んぽで一通り発散した後なでなでしたり軽くマッサージをしたり。その結果、「お耳の付け根部分のマッサージは好き」ということがわかりました。彼の機嫌がいい時にはなるべくコミュニケーションを取るようにし、彼に負担のない程度で「一緒に生活している存在」として認識してもらおうと心がけました。 またおやつをあげるときには、最初は手から直接あげることを心掛けました。例えば乾燥パパイヤだったら2本は手であげる、残り2本はペレット入れに入れてあげる等、「なでなでは好きではないが人が見ていた方がご飯を食べる」という彼の小難しい性格に寄り添えるように気を付けました。
★ポイント:適度な距離感を保つ
サプリメントを使用してみる
5歳になった頃より、シニアケアサプリメント「パンフェノン」の使用を始めました。ありがたいことに彼の好みの味だったようで、ペレットと一緒にあげると一番最初に食していました。早めのシニアケアとしてあげ始めたのですが、飲み始めてすぐにペレットを完食する日が劇的に増えました。完食できる日が1週間のうち0日だったのに対し、平均週3~4日は完食できるようになりました。パンフェノンの有効成分である「ピクノジェノール」は血流改善作用が非常に高いので、内臓がしっかり動きお腹が空くようになったのかな?と思います。シニアケアの一環のつもりだったので、思いがけず嬉しい働きとなりました。
★ポイント:意外なものが打開策になったりする、まず試してみる
ネガティブな声かけをしない
うさぎさんは人間の表情や感情を、よく見ている動物だと私自身は考えています。「これは美味しいやつだよ!」「これ食べたらもっと楽しく走り回れるよ!」「食べてる姿も最高に可愛いね!」等、なるべくプラスになる言葉を掛けるように心がけました。一切のご飯を食べてくれないとなると、やはり飼い主としては心配して悩んでしまうと思います。私自身も本当に悩みました。ただ、そうやって落ち込むのはうさぎさんの目の前じゃなくてもできること。人間の不安を感じさせないように、楽しく健やかな生活を送れるようにネガティブな面はなるべく出さないようにしました。
★ポイント:うさぎさんの前ではいつも笑顔でいる!
現在のZeroについて
今年の11月で8歳となるZero。歳を取って味覚が変わったのか、色々と対策をしたおかげか、食べられる幅が広がりました。ペレットもしっかり完食。牧草は日によってムラがありますが食べるように。生野菜もセロリ・にんじん・りんごは食べられるようになりました。なでなではその時の気分によりますが、以前より距離が近くなったように感じます。小食なのは彼の「個性」。また急に偏食モードに入るかもしれません。今まで食べていたもの全て、食べなくなる可能性もあります。その時はまた一から彼と一緒に美味しく食べられるものを探していきたいと思います。