かつては自然の中で、野原を走り巣穴に潜って生活していたうさぎ。しかし現代において私たちとペットとして人と暮らす環境には、お部屋の中にも危険がいっぱいです。うさぎが安全に暮らすために、危ない箇所がないかチェックしてみましょう。
(うさぎと暮らすNO.15より一部流用)
うさぎの骨の仕組み
自然下では空から地上から常に獲物として狙われているうさぎ。捕食動物が近づくと俊敏に逃げなくてはなりません。ですからうさぎは「含気骨」という、空気を多く含む骨で構成されています。つまり骨密度が薄く、軽量であるため、落下や衝突するとたちまち骨折してしまいます。そこで日常の抱っこの仕方、うさぎが過ごすエリアのインテリアには配慮が必要となります。
落下事故に注意
うさぎが過ごすエリアにこのような場所がないかチェックしましょう。
- うさぎが過ごすテリトリー内にジャンプして飛び乗る・飛び降りることができる1メートルほどの高さの場所がある
- ケージ内上部にロフト、トンネルを取り付けている
- ケージ内に高さの相違する台が配置されていて、低い台を使って棚などに登ることができる
- うさぎが飛び降りる場所があってなおかつ、足元がフローリングなどの硬い床
うさぎは後ろ足で地面を蹴り高く飛び上がることができるため、人間が想像する以上にジャンプすることができますが、高い所から飛び降り、着地した場所が衝撃を吸収しない固い床の場合、骨が弱いうさぎは骨折する可能性が高く危険です。
ロフトに関しては、別の小動物用の木製ロフトなどをいくつか配置している方が時々おられますが、もともとうさぎの体型、体重に合っていないものです。これはケージから出す必要がないペットがケージ内で運動するためのグッズで、うさぎの場合、お部屋から遊ばせてあげる時間を作ってあげる方が多い(はず)ため、ケージ内での運動は必要がないと考えます。
時々、「ケージを購入した時にステンレスのロフトがついていたので取り付けている」という方もおられますが、これもケージ内で飛び降りることが日常になるのでけがの心配が伴います。
また木製やメッシュのトンネルに関しては、うさぎがそこにこもってしまい、飼い主さんが用があって(爪切りや病院など)ケージから出したいときに困難になります。
神経質なタイプのうさぎの場合、トンネルやハウスを置きたくなってしまいますが、ケージ内のフラット(床に直置き)にチモシーのハウスや木製ハウスを置くことをおすすめします。
また足裏に肉球がないため、フローリングなどの硬い床に接した時にクッションの役割がないため、滑りやすく衝撃も受け止めやすいと言えます。
特にシニア、肥満のうさぎには飛び降りることのできないフラットなインテリアにしてあげる配慮が必要です。
爪折れ事故
- 爪が伸びすぎている、爪切りをしていない
- ケージに取り付ける金具などが飛び出ている
- 毛足の長いカーペットや、ループタイプのカーペットを敷いている
- ケージ内に、爪が挟まるぐらいの隙間が生じる
うさぎは、猫のように爪を研いだりしないので、定期的な爪のカットが必要です。伸びた爪をそのままにしておくとカーペットの繊維や、ケージの金具の隙間などに爪を引っ掛けて、爪が根元から折れる、指の骨を折るなどの事故が発生する可能性も。
異物をかじる
- サークルや、ケージの金属部分をかじる
- 食べてはいけないものを食べてしまう
- トイレやケージを不潔にしている
うさぎは何でもかじる習性があります。うさぎのスペースにあるものでうさぎが興味を持つものは何でもかじって食べてしまうため、かじられては困るものは、置かないように注意しましょう。カーテン、じゅうたん、紙類などの繊維は胃腸内でかたまりとなり、詰まっていまう可能性があります。また、ゴムやプラスチックは消化されないので大変危険。タバコや洗剤などは中毒症状を起こすこともあります。電気コードはコンセントにつながっているだけで電気が流れているため、感電してやけどを負う危険性もあります。
また、トイレやケージは常に清潔に保ちましょう。尿の汚れが足裏につくと、体毛が固まり皮膚病へと発展することも。
獣医さんによると、牧草やフードに入っている脱酸素剤・乾燥剤にも誤飲事故があるそうです。特に生石灰の成分のタイプはやけどのような症状になるそうなので、牧草を与える時に混ざったりしていないか、飼い主さんの目で必ず確認してから与えましょう。
見晴らしの良いところは好き!?
仔うさぎ~青年期は元気があれば当然ながらたくさん走ったり、跳ねたり、高いところがあれば乗りたくなってしまいます。スペースの足元にはラグなどを敷いて、走ったり跳ねたりできるスペースを作ってあげましょう。うさぎの場合、高いところに乗って部屋全体を見渡すことを好むようなので。座布団のような少しでも高いところでも乗ることで満足しています。うさぎ専用のマットを用意してあげるとよいでしょう。