自然界の滋味あふれる旬の野草をいただくことは、うさぎにとってパワーの源となります。特にイネ科の葉は春から秋まで生えているので、生えている場所を把握しておくと、うさぎが食欲不振の時などに重宝します。まずはうさぎが食べても安心の代表的なものからご紹介します。お散歩がてら探すのはとても楽しいですよ。
イネ科
ケイ素が含まれていて手が切れやすいので摘むときは軍手をはめましょう。そのまま与えても干したものを与えてもよい。
ネズミムギ【Lolium multiflorum】
イネ目イネ科ドクムギ属
英名はイタリアンライグラス。草丈は30~100cm程度。ほぼ等間隔に多数の小さな穂をつける。
穂の部分は炭水化物なのでできるだけ取り除いて草を与えましょう。
イヌムギ【Bromus catharticus】
イネ目イネ科ドクムギ属
草丈が40~100cmと高い。枝が先端に向かって垂れるので見分けやすい。大きく扁平な小穂をつける。
オオバコ科
ヘラオオバコは外来種で、草丈が長い。生えているところは種が広がって群生化しやすい。
オオバコ【Plantago asiatica】
オオバコ科
ロゼット状に生える根生葉(こんせいよう= 地上茎の基部についた葉のことで)で茎がない。歩いて踏み固められた硬い土に生える。
苦味が少なく嗜好性が高い。穂が出る前のもの、きれいな状態の葉を選ぶ。
ヘラオオバコ【Plantago lanceolata】
オオバコ科
オオバコとは異なり、葉が筋の入ったヘラのような広線形をしている。オオバコ同様の効果、昧は少し苦味はあるがうさぎの嗜好性は高い。
マメ科
全体として他の野草よりたんぱく質を含み、カロリーが高いので与えすぎ注意。嗜好性が高い。
シロツメクサ(クローバー)【Trifolium repens】
マメ科
葉は3枚の小葉に分かれ、中央にVの字の白い模様がある。
新芽は青酸配糖体があるので避け、成長したものを乾燥させて与える。マメ科はカロリーが高く、おなかにガスをためやすいので与えすぎ注意。
カラスノエンドウ(ヤハズエンドウ)【Vicia angustifolia】
マメ科
つる性の野草で、全体に産毛が生えている。紫色の花が咲いた後、エンドウのさやに似た実を付ける。若芽、若葉を与える。
葛(くず)Pueraria lobata】
マメ科
葉は大きく、3枚の小葉に分かれる。葉や茎の表面に産毛がびっしり生えている。若葉や茎を与える。苦味が少なく、嗜好性が高い。
キク科
葉の香りが高く、うさぎの好き嫌いは分かれるが薬効が優れ、滋味に富む。
タンポポ【Taraxacum】
キク科
根元から放射状に生え(ロゼッタ)、黄色や白の花を咲かせる。葉をそのまま、あるい乾燥にして与える。日本タンポポ、西洋タンポポとあり、葉の形もさまざまなので春の花がついている状態で見分けるとよい。
ヨモギ【Artemisia princeps】
キク科
葉は羽状に深く切れ込んでおり、キクに似た葉の形で葉の基部に仮托葉(小さな葉)がある。葉の裏が白い。葉をこすると独特の香りがある。春の柔らかい若芽は苦味が少なく嗜好性が高い。
そのほか
ノゲシ(ハルノノゲシ)【Sonchus oleraceus】
ケシ科
葉のふちは尖ったギザギザがあるが、柔らかく、触っても痛くない(秋に咲くのはアキノノゲシ)。
生のままより乾燥させたほうがうさぎが食べやすい。
ハコベ【Stellaria】
ナデシコ科
「はこべら」の名で春の七草の1つとして知られています。ヒヨコグサとも呼ばれ、家で飼っている鶏のエサとしても昔はよく使われていたようです。白い小さな花を咲かせます。日陰にも大量に生えています。うさぎの嗜好性は高いです。
持ち帰り方
野草は根を抜いたそばからすぐにしおれてしまうので、ぬらしたティッシュで根元をくるんで持ち帰るのがおすすめです。あきらかに人の管理をしていないエリアの雑草でしたら根と根の周りの土ごといただいてきて、おうちで植えてみるのもよいでしょう。
与え方
与える前によく洗いましょう。決して大量に与えず、1枚・1房などにして、うんちの状態を見てから与えるようにしましょう。