うさぎの健康

うさぎさんの爪切り(その2)

前回の記事で爪切りを定期的にしなければならない理由や、おうちで爪切りができたほうが良い理由などをお話ししました。そちらを読んでいただけたら、爪切りの大切さや爪もうさぎさんの健康に繋がっているということがおわかりいただけたと思います。

うさぎさんの爪切り(その1)おうちでするのは難しい・怖いと言われがちな『うさぎさんの爪切り』。今回から数回に分けて、おうちで行ううさぎの爪切りの方法を紹介します。...

それでは、爪切りをしてみましょう!

道具

初心者の方は爪切りタイプが使いやすいと思いますが、ご自身が1番使いやすいと思うものを選んでくださいね。体が大きな子や大型の品種の子は爪も太くがっしりしていますので、そういった子はギロチンタイプがおすすめだそうです。

左から、ギロチンタイプの爪切り・ハサミタイプの爪切り・爪ヤスリ

爪切りの体勢(保定)

飼い主さんのやりやすさや、うさぎさんの体格や身体能力によっても多少変わってきますが、飼い主さんのわきの下にうさぎさんのお顔をすぽっと収める体勢が1番安定するしやりやすい(私的には!)と思います。

まずは飼い主さんの利き手を写真のようにしていただきます。

うさぎを持つ手の形

次は…

人差し指はうさぎさんの首の左側に添えるような感じに。
親指はうさぎさんの右腕(脇)の下に。
中指はうさぎさんの左腕(脇)の下に。
余った薬指と小指はそのままわき腹に添えてあげてください。

※右利きの方の説明になりますので、左利きの方は反対でお願いします。

そのままうさぎさんの後頭部を飼い主さんの利き手と逆の脇の下にすぽっとおさめます。目を隠してあげたほうがうさぎさんも落ち着くので、暴れてしまう子はお顔まですっぽり脇に挟んでしまったほうが良いかもしれません。

目を隠して視界を遮ってあげるような感じで。

あまりバタバタ暴れないという子は頭を挟んでフィットさせるくらいでも大丈夫だと思います。

こちらの保定の仕方以外にも、飼い主さんの太ももの間に挟んで完全に仰向けにしてする方法があります。この時に大きめのタオルやブランケットなどを敷いておくとより安定します。

この時も目を隠してあげると落ち着いてくれる子が多いように思います。

この方法はうさぎさんが最も苦手な体勢でもあり、呼吸をするのにもとても負担がかかります。高齢の子や呼吸器系が弱い子などは違う方法や短時間で済ませるようにしてあげてください。

絶えず起き上がってこようとする子もおりますし、蹴りが強い子ですとこの体勢での爪切りはうさぎさんの黄金キックが飼い主さんの胸に直撃し「カハッ…!」っと、一瞬呼吸困難に陥るレベルのダメージを受けますのでそちらもご注意を…。特にミニレッキスちゃんとかのキックは視界に星が飛ぶほどです(笑)。

最後に2人体制で爪切りをする方法もあります。

こちらは1人がうさぎさんを縦抱っこをして、もう一人が爪切りをするといったもの。

役割を分担できるので、保定の人は保定に、爪切りの人は爪切りに集中できるのがメリットです。ただし、お互いの信頼関係がとても大切になってきますので簡単ではありません。

あるうさ飼いさんご夫婦は、旦那様が抱っこはできるものの爪切りのため(うさぎさんの嫌なことをするため)に抱っこをしていなきゃいけないなんて無理。かといって爪を切るのも無理。

奥様は抱っこも爪切りもなんとかできるものの、やはりうさぎさんが暴れてしまったりで1本切るのにもかなり苦労してしまう。

旦那様にどちらかができるように、というのは難しいとのことだったので、そういった場合は奥様が保定して爪切りをしている間、うさぎさんに声をかけいつものようにやさしくなでなでしてもらう。それだけでもうさぎさんもかなり安心できると思います。

もしこのようなご夫婦やご家族のかたがいましたらぜひ試してみてください。

爪の切り方

うさぎさんの爪は前足がそれぞれ5本ずつ。後ろ足がそれぞれ4本ずつ。合計18本あります。1本多い前足の親指は少し内側寄りに生えていて、1番切りにくい箇所とも言えるかと思います。

うさぎさんの爪には血管も神経も通っていますので、そこを避けて爪切りをします。爪の色が白い子は血管がピンク色に透けてはっきり見えるのでわかりやすいのですが、毛色が暗い色の子ですと爪の色も黒っぽく血管がわかりにくい場合があります。

毛色が白っぽい子の爪
毛色が黒い系の子の爪

血管を見えやすくするためのライトなども売っていますので使ってみても良いいかもしれません。こちらもうさぎさん用でなくてもワンちゃん用などを代用する方も。

ピンポイントに光を当てられる。

私はライトの光で目の奥が痛くなってしまうタイプなので、天気の良い日に日当たりの良い場所で爪を透かしながら確認して切っています。ご自身と、うさぎさんに合った方法を探してみてください。

爪を切る時は爪の周りの毛を少しより分けて爪がわかりやすいようにします。(先出の爪アップの写真のように)

血管の先から5㎜前後のところで切るようにします。最初は血管を切ってしまわないかと不安だと思いますので、定期的な爪切りをする間隔は短くなってしまいますが無理をしてギリギリのところで切らなくても良いと思います。

この時に爪の根本をしっかりと支えてあげてください。ハサミのパチン!と切る振動が体に響いてびっくりして暴れてしまったりします。

切る爪は前足からでも、後ろ足からでもどちらからでも大丈夫です。後ろ足のほうが保定した姿勢が保ちやすいので比較的難易度は低い(その子にもよる)かと思います。我が家は蹴りが強い子は切った後の爪で私の腕が傷だらけになるので、そういった子だけは前足からするようにしています。

面取り・ヤスリがけ

面取りとは、文字通り切った爪の角を落とすように面取りをすることです。お料理でお野菜を切る時の面取りと同じようなイメージです。

パチンと1度切っただけの状態ですと爪に角が立っていますので、抱き上げたときなどに少し痛かったりします。それを無くすためにするのですが、こちらも難しければ無理にしなくても大丈夫だと思います。

爪切りで面取りをするのではなく、ヤスリ掛けで爪先をまあるく滑らかにすることもできますので、面取りが難しい方はヤスリがけでも良いです。

角を無くすような感じでヤスリがけをします。

爪切りの間一生懸命我慢してくれたうさぎさんには、終わった後にはめいいっぱい「頑張ったねー!いい子さんだったねー!ありがとうねー!!」としてあげてください。

なでなでが好きな子はたくさんなでなでして♡おやつが好きな子には少しご褒美として♡

パパさんからなでなでのご褒美中のぷりんちゃん

ひとつ前の記事でもお話ししましたが、1度にやらなきゃ!と思わなくても大丈夫です。飼い主さんに合ったペースとうさぎさんの負担の軽減を最優先に、練習しながら少しずつ慣れていってもらえたらと思います。

爪切りを頑張ったので、ちょっと誇らしげなぷりんちゃん

撮影協力/寺村万紀、ぷりんパパさん