おうちに帰ってサークルを準備したら、うさちゃんにご飯をあげて、食べ終わったら遊び場に出して…。うさぎにとって最も楽しいひと時です。これはどのご家庭でも日常のひとコマだと思いますが、このとき飼い主さんはうさぎと一緒に同じ場所で、同じ時間を共有していますか? それはうさぎとの距離を縮める絶好の機会です。今回はいろんな方のうさぎとの遊び方を紹介します。皆さんも遊び場で一緒にすごして、うさぎがどんな遊びが好きで、飼い主さんにどんなリアクションをするか観察してみましょう。(うさぎと暮らすNO.70より改編)
うさぎと遊ぶ前に…
遊ばせるテリトリー内が安全であるかを点検しましょう。いろんなものがあるお部屋の場合、サークルなどで囲った中にしましょう。
遊んでいる時に起きるアクシデントの例
- 電気のコードをかじる
- 布、毛布などをかじる
- カーテンのおもり(鉛)をかじる→中毒
- ほか、ぬいぐるみ、窓のサッシ、おふろマット、スリッパ、観葉植物などをかじる
- 他のペット(うさぎ含む)とのトラブル
- 物や本が倒れる、落ちる
- うさぎを踏んでしまう、落としてしまう…などなど
遊ぶ前にチェックすること
- 爪の伸びすぎ
- 健康状態
- 環境(温度、湿度、日差しなど)
- ゴミ、コード、落下物
- 段差のチェック
- 絨毯の毛足の長さ→ひっかかり注意
- ノミ、マダニ、ツメダニなど
- かじってはいけない物を排除する
複数飼いの場合の注意点
- 相性の良さ
- 遊ばせる順番
- ノミ、マダニ、ツメダニ
- 感染症
- 皮膚病
- エンセファリトゾーンのチェック
遊びに取り入れてほしいこと
うさぎは学習する動物です。飼い主さんとのコミュニケーションの元、下記のような遊びができるように楽しくトレーニングしてみましょう。おやつを使うと上手に覚えますが(量をちょっぴりにするなど)、使いすぎないようにしましょう。普段牧草嫌いといううさぎは、遊びエリアに牧草を置いてあげるのも、遊びの中で草を食べたいという本能を呼び起こすよいきっかけになることもあります。
中には遊びが楽しすぎてケージに戻るのが嫌になってしまううさぎもおります。人と暮らす上では我慢や時間の制限も必要。適度な時間遊んだら、ケージへ自分から戻る、あるいは飼い主さんが抱っこして戻すトレーニングも必ず行いましょう。
- なでなで
- 抱っこ
- ハウス、トンネルくぐり
- ボール遊び
- 芸(おいで、回転など)
- ブラッシング
- ストレッチ
- マッサージ
- 耳そうじ
- スポイトトレーニング
- ケージに戻る
遊び感覚でしつけができると、うさぎに社会性がつき、場所、人、動物などにキャパシティの広いうさぎになれる可能性があります。クレクレ、出せ出せなどのうさぎの要求には乗らず、立ち去る、無視するなど毅然と対応しましょう。褒める時はすばやく褒め、トリーツなどのごほうびを適量、上手に利用しましょう。ダメ!と叱るのは一回だけにしましょう。
レポート:我が家のうさぎとの遊び方
ねぎ・メス・8ヶ月(取材時)
★パーソナリティを尊重しながらふれあい
飼い主さんは普段おうちで作業をしていることが多いので、うさぎと一緒にいられる時間も長いため、自宅にいる間はリビングに出してあげて、うさぎたちとのふれあいを楽しんでいるそうです。
また、うさぎたちの行動をよく観察しているそうで、おうちには3匹のうさぎがいるので、人懐こく、他のうさぎにもあいさつして自由にへやんぽ時間を楽しむこ、用心深く、じわじわとテリトリーを広げていくこ。そしてねぎちゃんはただいま成長期。今のところキリッとしていて、他のうさぎにも関心がない様子ですが、飼い主さんとの相性はよい様子。それぞれの性格に合わせて接してあげています。
おうちでは飼い主さんから常に3匹の様子がわかる状態、目線が届く範囲で暮らしている。うさぎの性格に合わせて、遊ばせ方を変えている。ねぎはまだ仔うさぎなのでどんな遊びが好きか、他のうさぎへのリアクションはどうか、など行動をよく観察している。
千陽(ちはる)メス・1歳(取材時)
★遊ぶのが大好きな千陽ちゃんに合わせてリビング改造
千陽ちゃんは、出生時、ママが育児放棄してしまったので、飼い主さんがミルクを与えて育てたそうです。そのせいからか人懐こさ、天真爛漫さはピカイチの千陽ちゃん。広いリビングに千陽ちゃん専用の遊びスペースを作り、思う存分に遊んでもらう時間を作ってもらっています。
「私がパソコンチェアに座っていると、ひざにジャンプしてきて危ないので、サークルで囲って遊びスペースを作ることにしたんです」と飼い主さん。
「仔うさぎのうちはどんな性格かわからないですよね。だから小さい頃は時間があるとよく遊んであげています。初めてテリトリーで遊ばせると、だいたい個性が分かります。1回ケージから出して遊ばせてあげると次回からは慣れてくれるコ、隠れる場所(わらトンネル、キューブハウス)があれば大丈夫なコ、最初からジャンプしたり牧草を食べて自由にしているコ、おしっこを撒き散らすコ(主にオス)とさまざまですね。遊ぶことが大好きなコは定期的にお店の中央にテリトリーを作り、1時間くらいは自由に遊ばせています」
遊び広場の工夫は猫用トイレやケージのトレーを活用して、牧草を敷き詰めたものを置いていること。そこでうさぎたちは遊びながら牧草を食べたり、ベッドにもしています。飼い主さん自身もテリトリーに一緒に入って楽しんでいるのだそうです。
「仔うさぎのうちは抱っこしても逃げなかったり、テリトリーで元気に遊んでいても、大人になって自我が芽生えてくると怖がりになったり、人とのふれあいを嫌がるような場合もあります。そうしたコは無理に遊びの時間を作る必要はないし、そのコの個性に合わせてあげればいいと思うんです。人とのふれあいは避けても、ほとんどのうさぎが遊ぶことは好きで、遊ばないコの方が少ないとは思います。そして私自身が一緒にうさぎと遊びたいという気持ちがあります…」と飼い主さん。
小さい頃から遊んであげると物怖じしないコになります。遊びの時間は飼い主さんも楽しもう!遊ぶことが好きなコと得意でないコがいるので、そのコにあわせて遊ばせています。最初は遊び場で緊張しているコも二度目は慣れて遊んでくれるコもおります。