ブラッシングだとキャリーに入れた状態で行うなど、抱っこしないでもできる方法はあるかもしれませんが、爪切りはそうはいきませんね。今回はおうちで爪切りをしたい読者さんのレッスンの模様をお届けします(うさぎと暮らすNO.80を改編)。
参加者/ぷりんパパさん 指導/本誌抱っこマスターF、M2名
モデル/左からてんぱち、ぷりん、風空
爪切りトーク
編集/おうちでうさぎに爪切りをするのが怖いという方は少なくないと思います。もちろん病気やボディチェックをしてもらうために動物病院やうさぎ専門店に行くことで解決できることはいっぱいあります。でもうさぎがシニアになってきて、その都度外出させるのは体力的に負担をかけてしまったり、季節柄外出が困難、またコロナ禍で外出に制限がある期間もありましたよね。ですからおうちで爪切りはできた方がいいなという企画です。抱っこマスターのお二人はうさぎをお迎えした当初、動物病院かうさぎ専門店で爪切りをしてもらっていましたか?
抱っこマスター二人/いえ、最初から自分でやっています。
編集/読者さんからよく聞くのが、おうちで爪切りができない理由として『抱っこできない』『抱っこしても暴れてできない』『失敗して出血したらどうしよう』というのが主な理由ではありますが、『嫌われたくない』という声があって、うさぎにとってやはり爪切りはストレスになりますか?
抱っこマスターM/我が家は男の子のホーランドばかりなので、甘えん坊で遊ぶの大好きだから、おさんぽスペースで一緒にいると必然的に寄ってきますので、ぱっと抱っこしてサクッと切って、切った後もうさぎは何の動揺もないので、遊びの一環みたいな感じですかね?
抱っこマスターF/私の場合は、少しずつうさぎが増えて多頭飼いになってしまったので、外で爪切りへ行くのも大変なので、自分でやるという選択肢となりました(笑)。また爪切りのために外出するということがよいのだろうかということもありますよね。我が家は膿瘍で通院しているこがいますが、お出かけは診察だけに留めたいですし、うさぎをお迎えする=爪切りも当たり前と言いますか…。
編集/簡単なことではないかもしれませんが、必要に迫られてやれるようになったということですね。品種別には爪切りのやりやすさはどうですか?
抱っこマスターM/私は自分がホーランドロップの飼い主なので、ネザーの爪切りだと体重が軽くて、体が小さいので保定が苦手だったりします(汗)。
抱っこマスターF/私もたれ耳派なんで、ネザーちゃんは性格的にもデリケートなんで飛び跳ねてけがさせないようにって神経を使います。だけどホーランドは後ろ足ががっちりと太いので、「抱っこして『いやだ~』って暴れて蹴られたら痛いですよね(笑)。
抱っこマスターM/ミニレッキスも筋肉質なんで簡単ではないかもしれませんね。
ー今回、読者代表でご参加いただいたPパパさん。ぷりんちゃんを連れて参加です。
編集/ではこれからぷりんパパさんにレッスンしてもらいましょう!
ぷりんパパさん/お話を聞いていて、うちのぷりんはまだ若いですが、今のうちからできたほうがいいかなと感じました。今まではちょっとこわいというのがあって。動物病院や専門店にお願いしています。ご指導のほど、よろしくお願いいたします。
抱っこマスターF/どんなうさぎでも好きではないと思うんですよ。うさぎが爪が伸びすぎてけがをしたりしないようにカットするわけですから、きれいに切るとか意識しなくてもいいですし、今日は前足1本だけとか、できなかったらショップに頼んでもいいし、でもおうちでトライしてみて、わからないところは聞いてみるとか、できるようになっておくのはメリットしかないと思います。
抱っこマスターM/爪切りはたくさんの種類があります。うさぎ用の専用爪切りももちろんあります。はさみ・ギロチン・ニッパータイプなど、ご自身の手に合いやすいサイズで、うさぎの爪を安定して挟み、カットできるものを選びましょう。
編集/うさぎの健康状態は爪に現れたりしますか?
抱っこマスターF/ありますよ。栄養状態が悪くてつやがなかったり、縦線が入っていたり、色が悪かったり、人間と同じですよね。またシニアになると指の形が変わってきて爪が変形してきたりします。
抱っこマスターM/もともと爪が巻いてきたり、生え方に癖があるこもいます。
編集/爪にもいろいろ体調が現れるんですね。
爪を見てみる
風空くん 黒
てんぱち 少し黒味がかっている
ぷりん 茶色い
血管を見てみる
風空くんのような黒い爪はそのままではどこを切ったらいいかわかりにくいです。しかし爪切りを握りながらライトを手に持つのは不可能です。そこでMマスターはUSB接続のライトを用意。電源の近くで行えば角度を自由に変えて照らすことができます。
風空くんの血管はこの通り。血管の位置わかりますよね? ラインのあたりが切ってもOKな位置です。
ただししばらく爪切りをしていないと血管の位置も変わってきています(長くなってしまう)。短めに切っているのに出血してしまったなどという経験はそれが原因です。うすいピンクの血管位置の先端を見極められるようになるとよいでしょう。
スマホのマクロレンズもおすすめです。
ぷりんパパの準備
本日はぷりんパパさんにはおうちから爪切りを持参してもらいました。そしてMマスターが推奨する、実際のうさぎの爪と切る感触に近い、『はさみで爪楊枝を切る感覚』を覚えてもらいました。これ、みなさんにもおすすめです!
次にマスターの保定でてんぱちくんの爪の切ってもよいラインと、切る感触を体験してもらいました。
ぷりんちゃんの爪
さてぷりんちゃん。撮影時絶賛換毛中。元気であっても換毛には身体的な労力を使っています。またこのような知らない人がいる中なので、不安もあるでしょう。
まずは抱っこマスターがぷりんちゃんを抱っこして脇にはさむという方法を見せてからぷりんパパもトライします。
パパが脇にはさむと、ぷりんちゃんは何度か体勢を変えようとしました。完全に体勢を戻されてしまったら、あやして声をかけてあげて、再度チャレンジです。体勢が整ったら爪切りします。「パチン」。1本切れました。さらにもう1本チャレンジしてみましょう。上手にできました。
後は宿題で、おうちでやってもらうことにしました。
「ちょっと難しかったですが、無事にできてよかったです!ぷりんのこれからのためにおうちでできるようにがんばります」とぷりんパパさん。
撮影から2年。ぷりんパパさんに近況を伺うと「おうちでばっちりやっています!」とのことでした。この撮影はスタジオで行いましたが、普段のうさぎの生活の場で覚えた方がうさぎと飼い主さんのためにはよいので、レッスンをしてほしいという方はうさくら編集部にご一報くださいね!
メール/info@usakura.tokyo