うさぎさんの性格の違いは、個体差によるものが一番大きいですが、品種や性別によっても違いがあります。ここでは性別によるうさぎさんの性格の違いや、体や行動の違い・変化をお伝えしたいと思います。
性別が判別できるようになる月齢とは
生まれて間もないころは、性格も体の特徴も男の子と女の子とあまり違いがありません。
生後3ヶ月頃からその子その子の性格の違いが見えてきたり、生殖器の違いがはっきりと分かるようになり、4ヶ月過ぎた頃から縄張りをアピールするための行動が見られたり、性成熟の早い子だと子供を産める体になっていったりします。
まずは男の子と女の子の性格の違いについてお話しします。
メスうさぎさんの性格の特徴
『子供を産み・育て・守る』女の子は、自立心が強く自分の時間を大切にするマイペースな子が多いです。ツンデレの極み!
こちらの動向はしっかり把握しているけれど、呼んでもあんまり来ないこともあり(あなたが来れば?くらいの気持ちなのかも。笑)。自分がなでてほしい時だけピトッと寄り添ってきたり。甘え下手な甘えんぼさんのような感じがあります。可愛すぎる…。
メスの性成熟は生後3ヶ月~4ヶ月。オスウサギと接触すると、交尾の刺激により排卵して妊娠します。妊娠期間は30~32日です。あっという間にうさぎは増えてしまいますので、仔うさぎ数匹をお迎えした場合は性別を判断することが必須なのと、性別がわかったら生活スペースを区分することが必要です。
オスうさぎさんの性格の特徴
男の子は人懐こくかまってちゃんな子が多いです。飼い主さんの周りをくるくると回ったり、どこへ行くにも後をついてきて足にまとわりついてきたりします。
そして中にはドジな子と言いますか、抜けていると言いますか、そんな子が多いような気もします…。後先考えず楽しいことに全力で突っ込むので、好奇心のままに行動して、派手にずっこけたりするのはだいたい男の子かなぁなんて思っています。笑。
そこがまた可愛い!でもケガだけは気を付けて~と言いたくなってしまいます。
性別による性格の違いは、あくまで一般的なお話しですので、あまりこだわり過ぎずおうちのうさぎさんのありのままの姿を見てあげてくださいね。
メスうさぎさんの体の変化
女の子の特徴と言えばみなさんご想像の通り「まふ」ですよね!
正式名称は「肉垂(にくすい)」「肉垂れ(にくだれ)」と言うのですが、うさぎ飼いさんの間では「まふ」「マフマフ」「もふ」などなどさまざまです。
うさぎさんの顎のところにもふっと脂肪がつき、立派なマフラーをしているような見た目に。
この肉垂の大きさは個体差がかなりあります。全然ない子もいれば立派なまふをお持ちの子も。
中には二段構えのまふの子もいたりします!
この肉垂は赤ちゃんができたときにそこの毛を毟ってベッドを作ってあげたり、脂肪(栄養)を蓄えている等々と言われています。
そしてロップちゃんやレッキスちゃんに多いのがお尻のところにできる「スカート」。こちらも女の子のうさぎさんに多い特徴です。私は「座布団」や「おざぶ」と呼んだりするのですが、スカートと言っている方が多いのかな。
オスうさぎさんの体の変化
仔うさぎの頃はオスの睾丸はお腹の中に隠れていてわかりにくく、性別の判断は難しいです。3ヶ月を過ぎた頃から睾丸が下りてきて、めでたく立派なたらこ(睾丸)とご対面できます。
メスだと思ってお迎えしたらある日たらこを見つけて男の子と判明した。なんていう話しもたまに聞きますよね。他には、たらこを腫瘍だと思って動物病院に駆け込んでしまったなんて方も。
たらこのお色も個体差ですので、愛しいわが子の個性あふれるたらこを愛してあげてくださいね。
身体は半年ほどでぐんぐん大きくなり、品種にもよりますが、その後半年から1年すぎてお顔が大人の骨格へと変わっていきます。
男の子のうさぎさんでも申し訳程度のまふができる子もたまにいます。ロップちゃんやレッキスちゃんが多いですかね…。元々肉付きの良い品種というのもありますし、年を重ねていくと色々と重力に逆らえなくなってきたりもありますし(人間と一緒!笑)
男の子でまふがある子も心配する必要はありませんが、あまりに立派なまふをお持ちの子は、太り過ぎや腫瘍・膿瘍なども考えられますので注視してあげてください。
メスうさぎさんの行動の変化
性格の違いでもお話しした通り、女の子は子供を産み育てるのが本能です。ですので思春期になると安全に子供を育てる環境を守るために気性が荒くなったりする子もいます。
普段のコミュニケーションは普通に取れるのに、お掃除をしようとしたりご飯をあげようとしたりしてケージに手を入れた瞬間、怒ってうさパンチをしてきたり嚙みついてきたりなどです。この理由は、子供を産み育てる環境になる自分のおうちに部外者が入ってきたので「ここを守らなきゃ!」「入ってこないで!」という意味があるのです。
そして、偽妊娠。
偽妊娠とは、妊娠していないメスうさぎさんが生まれてくる(と思ってる)子供のために牧草を咥えて集めたり自分の毛を毟ってベッドを作ってあげる行為のことです。メンタル的にも少し神経質になったりする子もいます。
毟った毛を飲みこんでしまったりするとあまりよくありませんので、うさぎさんが見ていないときにそっと毛などは取り除いてあげましょう。本人の前で取り除いてしまうと「赤ちゃんのための大切なベッドだからやめて!」と怒られてしまう可能性もありますので気を付けてあげてください。
この行為は数日で収まる子もいれば1~2週間ほどで収まる子もいたりと個体差があります。
オスうさぎさんの行動の変化
思春期を迎えると縄張り意識が強くなり、おへやのいろんな物、いろんな所に顎をスリっとして匂い付けをする行動が見られるようになってきます。うさぎさんの顎の下には臭腺があり、そこを擦り付けて自分の匂いを付け自分の縄張りを主張するためのマーキング行為をしているのです。
へやんぽに出たらまずはいろんなところぜ~んぶ自分の匂いを付けなきゃ!なんて大忙しの子もいたり。
他にもマーキングと言えばおしっこ飛ばし(スプレー行為)。
もちろん自分の匂いを付けるためですが、大好きな子(メスうさぎさんでも飼い主さんでも)に対しておしっこを飛ばしたりなんかもします。この子は僕の女の子だよ!という意味なのだと思います。 それを聞くと、もしおしっこを飛ばされても「えっ…私のこと好きなの…うれしい…♡」…なんてならないですかね。なりませんよね。ちなみに私はおしっこ飛ばされたら大喜びで大爆笑するタイプです。笑
去勢・避妊手術について…
今ここでこのお話をじっくりしてしまうとコラム1回分くらい語ってしまうので簡潔に…でもとても難しく繊細で大切なことなのでしっかりと…。
去勢手術や避妊手術をするしないの判断は、どちらも間違っていないと思います。
先に挙げた行動がなかなか激しく、コミュニケーションをとることがままならない。このままではお互いにとってストレス。そんな状況が続くようでしたら、手術をすることによって問題の緩和になったりもします。ただ100%全ての行動が緩和されるというわけではありませんし、うさぎさんの性格そのものが変化することも考えられます。
異常が見つかってからでよいのではないか? それも間違っていないと思います。
ただ、特に女の子の子宮系疾患に関しては、なかなか症状が現れないため、気づいた時にはもう肺など、子宮以外にまで転移していて手遅れ…ということもあるのです。ですので獣医さんはなるべく早めに、事前に、とおっしゃる方が多いのだと思います。ほかにも若くて体力があるうちにという理由であったり、1歳を過ぎてくるとうさぎさんの体に脂肪も付いてくるため少し手術が難しくなったりなどさまざまです。
費用の面でも、去勢や避妊手術はもちろん、異常が見つかった時の手術費用では変わってきます。もちろんリスクも大きくなる可能性が高まります(肥満気味や高齢で体力がない場合は手術できないこともあります)。
その一方で、術後体調が悪化して亡くなってしまった子や、麻酔から目覚めずそのまま…なんて悲しいことが稀にあるのもまた事実です。
おうちのうさぎさんの体調と、飼い主さんの気持ちと、信頼できる動物病院の先生ともしっかりお話しして、たくさん考えて、お互いにとってベストに、特にうさぎさんにとってのベストになるよう判断してもらえたらと思います。
こちらについては詳しくは「うさぎの妊娠と出産」「メスうさぎの子宮疾患」という項目で、このサイトでも紹介しているのでご参考にしてくださいね。
最後に…
私たち人間も幼少期から思春期、今に至るまで、体の変化やホルモンバランスの変化で戸惑うことがたくさんあったと思います。うさぎさんたちにも同じように変化が訪れますので、私たち飼い主はうさぎさんの変化を受け入れ、柔軟に対応してあげてください。
お話しした性格の違いや行動の違いはみんなそれぞれ個性があり、愛情表現がどストレートな女の子もいたり、スプレー行為をする女の子もいたり、我が道まっしぐらの男の子もいたり、縄張り意識の低い男の子もいたり、本当にみな様々です。おうちの子のありのままの姿に寄り添い、いっぱいいーっぱい愛してあげてくださいね。