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USAKURA ARTの旅:[sonu]新沼千尋さん(染め・刺しゅう作家)

うさぎのアート作品を紹介していく「USAKURA ARTの旅」。今回は染め・刺しゅう作家の[sonu]新沼千尋さんです。

新沼千尋さんの作品

[sonu]新沼千尋さん

東京都在住。動物をモチーフにした小物を生み出す作家。生地に染色と刺しゅうをほどこした独自の技術を取り入れている。学生時代にガラスと染織を学び、卒業後、オーガンジーや接着芯を使った作品の制作、アーティスト仲間とのグループ展などを続け、2009年[sonu]をはじめる。雑貨店で小物の販売や、アートイベントなどに出展するなどして活躍中。(取材当時)

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うさぎの作品を作るようになったきっかけは?

もともとは学生時代に造形を中心に学んできたので、オブジェを製作する活動を行ってきたのですが、仲間と「展示会」を開いた際に制作したのが、生地を染色したものに刺しゅうをほどこした小物でした。染色についても学校で学んでいて、心得はありました。それをご覧になった、横浜のうさぎ専門の雑貨店「Rabbit DEPARTMENT」のオーナーさんが気にいって下さり、注文を受けて制作を始めるようになりました。これを機に、染める・縫うという意味合いから、[sonu]という名前で活動を始めました。同時期にうさぎと暮らし始めていたので、不思議な縁を感じています。うさぎを迎えた理由は、ミッフィーとピーターラビットの影響があると思います。幼少期の私に親が選んでくれたキャラクターグッズはこの2つだけ。毎日、目にしているなじみもあって、実家から独立して動物を迎えたいと考えた時に「うさぎだわ」と思い立ちました。

小物はどのように作られているのですか?

一言でいうのは難しいのですが、一度にいくつかの作品を同時進行しています。紙にスケッチをする→モチーフの形にマスキングして地の色を染める→目鼻などざっくりと刺しゅう→毛色を染める→爪やひげなど細かい部分の刺しゅう→布雑貨に仕立てる、といった工程を経て小物にしています。刺しゅう糸も金や銀だったり、使用するレースも紅茶やコーヒー染めしてみたり、生地の素材はダブルガーゼとリネンに限って使っています。ガーゼに染織するのは色が均一に発色しなかったりするので難しいのですが、それが魅力でもありますし、描くように染められること、手触りもよく、使っているうちに風合いも出てきます。自分が作りたいもの、お客さまが手にとって楽しいものを考えて制作しています。

作る上でこだわっている点はありますか?

動物の中でもうさぎや羊、しか、くまなど、毛の生えている哺乳類が好きで、モチーフにすることが多いです。ペットとしてのうさぎが可愛らしいのはもちろんですが、野生のうさぎのシャープでたくましい姿にも惹かれます。うさぎを飼っていらっしゃる方は自分のうさぎに似ていてご購入いただくこともあると思います。一つ一つ心を込めて制作していますが、自分の手を離れたらお客様のうさぎだと思うので、可愛がっていただけたらうれしいです。