本誌の人気(注目)企画「出張!抱っこ講座」につきましてお問い合わせが多いので、編集部がお邪魔して指導させていただいている内容を復習編としてご紹介させていただきます。困っている方に情報が届くとよいなと思っています(うさぎと暮らすNO.94より改編)。
講師/寺村万紀 モデル/陸玖(りく)

まずは読者さんからお手紙をいただいています
小誌の企画を見た読者さんからメールやハガキでお悩みを寄せていただいています。地方の方の場合、お待ちいただく場合がありますが、なるだけ伺うようにしています。お悩みを講師に伝え、場合によっては伺う前にリモートカウンセリングをしています。
こちらが伺う際の条件は特にありませんが、誌面にご登場いただくということが条件です(お顔NGでもOKです)。
おうち訪問するわけ…
「なぜおうちでレッスンした方がよいのか」。それはテリトリー外でレッスンすると「できてしまう」からです。結局、おうちへ帰っていつもの環境になれば「できない」ことが多いのです。特に離し飼いのおうちのうさちゃん、ネザーランドドワーフのうさちゃんは「しづらい」かもしれません。
うさぎに抱っこを試みると暴れることもあるでしょう。確かにうさぎは「抱っこが好きではない子」が多いです。当サイトにも別欄で紹介していますが、うさぎは被捕食動物であるため、体をつかまれて抱き上げられることが好きではない子も多いです。
こちらをご覧の方の中には、「抱っこが必要ない」「ストレスになるのでかわいそう」とお考えの方もいると思いますが、そのままでよいのかどうか、一度こちらの内容に目を通していただけると幸いです。
おうちでレッスンする内容とは

訪問したおうちの飼い主さんにお話ししていく主な内容は次の通りです。
うさぎの体の作りを理解した上で、正しい保定をする必要があるので、うさぎの骨や骨格について説明しています。うさぎの骨がとても軽く(含気骨)て背骨は湾曲しているので、抱っこした時に背中を押さえつけない、丸い形をキープして保定することなどを理解してもらっています。

抱っこの必要性について
どうして抱っこが必要なのか、おうちで爪切りやブラッシングをしたいからだけでなく、日々のボディチェックがさわらないとわからないことがあること、またお腹側やお尻周りを見ることの必要性をお話しします。
そしてうさぎも品種や性別によって、環境の変化に敏感な子、人懐こく鈍感な子がいることをお話ししています。ネザーランドドワーフは比較的デリケートで抱っこを好まない傾向があるかもしれません。



おうちの生活環境を見る
カウンセリングしながら訪問したおうちのケージの中やテリトリー、普段の食生活や飼い主さんのお世話に仕方、触れ合い方、病院に行く時にキャリーにどう入れているか、を教えてもらいます。
抱っこをしたことがある方の場合はそのやり方を見せてもらいます。

おうちでの順位付けの話し
うさぎはおうちの中で家族関係を察知して、対応を変える賢い動物です。飼い主さんがご飯をくれて、掃除をしてくれる人で終わってはいけません。ケージから(抱っこして)出る、ご飯をくれる、遊ばせてくれる、ケアをする、すべての行為が飼い主さん主導であることで、うさぎと主従関係ができていること。それが最低限のしつけであり、そうでないとうさぎは自由奔放、飼い主さんの言うことを聞かないことが日常となってしまいます。
そういう意味では私たち飼い主必要性があって行う行為であるので、「抱っこ」というより「保定」という意味合いが強いかもしれません。
ぬいぐるみでレッスン


テリトリーで飼い主さんと向き合い、寄ってきてくれたとして膝の上に乗せる、抱っこをする時にうさぎの体をどう支えるかをお話しします。
簡単な抱っことして「トンネル抱っこ」、それができたら「赤ちゃん抱っこ」、すべてのうさぎに適応しませんが、「あおむけ抱っこ」もご紹介します。その後、実際にぬいぐるみで実践してもらいます。
この続きは次回に続く。