今回は具体的な購入の際の牧草のパッケージの表示の見方やうさぎがおいしく牧草を食べてもらうための与え方についてご紹介します。
パッケージについて
透明パッケージ
購入する際、透明パッケージの製品の場合は、鮮度(一番刈りの場合、青々とピンピンなもの)が確認できるのがメリット。(紫外線を通さないよう、アルミ袋のものもあります。ビニール部を緑に着色しているものもあるので注意)。中身は茎ばかりでなく、葉や穂の部分も入っているのがよい牧草(茎は繊維質は高いが嗜好性は低いため、入っていることでうさぎが飽きないため)。
開封後は早めに食べてもらおう
空気に触れて徐々に劣化していきます。特に梅雨時は顕著です。チャック式のものが便利ですが、そうでないものは詰め替えましょう(後述)。
表示(産地、成分)の見方
産地は大概がアメリカと記載されているのみで、それ以上はわからないのが実際のところ。ただ成分に関してはメーカによって計算されたものが表記されています。主に「粗たんぱく質」「粗脂肪」「粗繊維」「粗灰分」「水分」「カルシウム」など。
(犬や猫のペットフードで成分表示が義務づけられているのは、粗たんぱく質、粗脂肪、粗繊維、粗灰分、水分です)
この「粗」という表記は、栄養成分の表示についての分析上の精度を示したもので、ペットフードでは栄養成分をこの値は保証するという観点から分析上の保証精度を「粗」で示しているそうです。ちょっと難しいですね・・・。毎年変更するということもなさそうなので、あくまでも参考です。
特にうさぎには粗繊維が気になるところですが、何社かで比べて粗繊維が高いものを・・・というわけにもいきませんので(うさぎの食いつきが重要だったりするので)、ただ、意外とメーカーによって大きく異なるので、パッケージを見比べてみると面白いかもしれません。
ちなみに牧草は高繊維質・低カロリーが合言葉ですが、カロリー表記をしているメーカーはごくわずかです。
また、賞味期限を記載していたり、トレーサビビリティ(栽培・収穫・輸送・包装など)が追跡できる、牧草の異物検査を表記しているところなど、メーカーによって特長があるので、ぜひ見比べてみてください。
保存方法(湿気が大敵)
牧草は湿度が大敵です。パッケージを開けたまま放置したりすると牧草の香りも飛び湿気てしまいます。購入したら密封容器に入れ乾燥剤を入れておきましょう。高温多湿の場所を避けて保管するようにしてください。また、開封した牧草は1ヶ月半~2ヶ月ほどで使い切るように、おうちのうさぎさんの食べる量も考えて購入することをお勧めします。
※与え方の工夫については、また牧草110番シリーズの別の回でご紹介します。
与える前は牧草を点検
よい牧草は肥沃な土壌にできるもので、生きものなどと共存しています。牧草の刈り取りはまずトラクターで刈って乾燥させたら、圧縮しながらロール状にしていきます。この際、異物(昆虫、ヘビ、ネズミなやカエルなど、あるいはキューブにまとめる際に使用するビニールひも、ほこりなど)、想定外のものを巻き込んでいる場合があります。
メーカーではそれぞれ目視や機械によるチェックなど、さまざまな方法でできる限り取り除いているようですが、おうちでも飼い主さんがトレーに給餌する前に牧草をほぐして、異臭や異物がないかを必ず確認しましょう。
牧草を食べないんです~と悩む方へ
このサイトをごらんのみなさんは、牧草がうさぎの胃腸を動かす、健康維持のために不可欠であることはよくおわかりいただけていると思います。
しかし、おうちのうさぎに翻って、「あんまり牧草を食べてくれないな」「いつも与えた牧草がそれなりに残っている」などと嘆く飼い主さんは、今からでも決して遅くない。そしてうさぎ自体に罪はないということを思い直してみてくださいね。
そして、まずは飼い主さんの考え方を改めることから始めましょう。
牧草はうさぎ用品の中で一番こだわっていい、お金をかけていいところなのです。「うちのこ、牧草を食べないんです」。それはもしやうさぎのせいではなく、飼い主さんの牧草のサーブの仕方にあるかもしれません・・・。
そこで下記の要点を心がけてみましょう。
- うさぎは草食動物であるという原点に帰る(おやつや生野菜はほとほどに)
- 1に牧草2に牧草。3.4がなくて5に牧草。牧草は歯をすり合わせて食べるのでうさぎも体力を使います。一方ペレットはクッキーのようにサクサク食べられるので好きになるのは当然のこと。うさぎにとって乾牧草は歯をすり合わせて歯の健康をキープ、自ら刻んで摂取した粗い繊維質が胃腸のぜん動運動に必要なのです!
- 毎朝・晩、牧草が残っていても新鮮なものと取り替える
- 牧草の保存には注意をはらう。乾燥牧草の香り、鮮度を大切にする
- 一番刈りの茎ばかりでなく、葉や穂(おやつ)が入っているものを選ぶ
- ごはんを与える順番を見直す。メリハリをつけてみる。基本牧草は与え放題でよいのですが、朝・夜とおなかがすいているとき、牧草を入れ替えて「おいしいよー」と声をかけながら与えてみましょう。そしてうさぎが少しおちついたころ、時間をあけてからペレットを与えましょう。うさぎが牧草を無視してペレットやおやつを待っているようでしたら飼い主さんとの我慢比べ・・・。ペレットやおやつを与えておなかふくれているときに牧草を与えていると、牧草があって当たり前、副食のようになってしまいますね・・・
- うさぎの食いつきをいつでも確認しよう
- うんちが黒い、硬い(手でほぐれない)、小さいというこの場合、牧草が足りていないと思われます。生野菜、おやつの量を減らしてみましょう(うさぎにストレスにならないよう徐々に・・・)。
牧草の与え方の工夫
- 牧草はあげ放題。いつも新鮮でおいしいものを与える
- 牧草の食べ方を観察する(葉から食べて茎は最後。穂は好き?など)
- イネ科の乾牧草いろんな種類を与える(バラ牧)
- 一番刈りの場合、どこから食べるか、どこを残すのか、など食べ方を観察する
- 香りがいいもの、茶葉、発酵臭がするもの、やわらかいもの、甘いもの(オーツヘイ)、少し時間がたったものなど、うさぎの牧草の好みを知る
- へやんぽエリアで遊びながら食べられるような牧草の置き方、種類を配置する。
例:川井 ソフトヘイバーなど
いかがでしたか? 次回は一番刈り、中身についてもう少し詳しくご紹介します。