垂れ耳うさぎの代表格・ホーランドロップ。太い足、大きなお尻、がっちりとした骨格、どこから見てもうさぎに見えないその容姿。ワンちゃんに間違えられる?こともあるホーランドロップって、一体どんな魅力を秘めているのでしょうか。(うさぎと暮らすNO.10より改編)
ホーランドロップの歴史
ARBA(アメリカのうさぎ協会) で人気のある品種のトップ 5 の 1 つであるホーランドロップ。日本でもネザーと並ぶ2大人気の品種です。垂れ耳うさぎと言えば、日本では「ロップイヤー(Lop Ear)」という愛称で親しまれますが、「ロップイヤー」とはすなわち「垂れた耳を持つうさぎ」のこと。耳が垂れているうさぎは、「アメリカンファジーロップ」「イングリッシュロップ」「フレンチロップ」「ミニロップ」そして「ホーランドロップ」の5種類です。同じ垂れ耳うさぎでも体の大きさや、特徴が異なる種類ですが、まずは「ホーランドロップ」という種類がこの世に誕生するまでを見てみましょう。
歴史
1949~1950年の冬、オランダに住むアドリアン・デ・コック氏が、フレンチロップのオスと、ネザーランドドワーフのメスを交配させるところから始まり、その後もイングリッシュロップ(ダンボちゃんみたいなお耳の長いうさぎ)など他品種をかけ合わせた結果、1964年に体重が2キロ以下のホーランドロップが誕生しました。
オランダで誕生したホーランドロップは、瞬く間にヨーロッパ全土に広がり、1979年にはアメリカのARBAにて公認品種となりました。
呼び名
ホーランドロップという呼び名が誕生したのは、オランダの品種であるところから、「オランダ(Holland)原産の垂れ耳(Lop)」と名付けられましたが、ヨーロッパでは「ドワーフ(Dwarf)ロップ」と名づけられ、小型の耳垂れうさぎとして親しまれています。
ホーランドロップの特徴
体重
小型であることよりも全体的な体のバランスの方が重要視されます。骨が太い、愛らしい大きな顔も魅力のひとつのため、標準体重は1.8キロとされています。
体の特徴
コンパクトな体とは裏腹に、骨太いがっしりとした骨格を形成し、胸板も厚くがっちりとしています。可愛らしい大きな顔と垂れ耳は最大の特徴です。しかし、顔が大きく、ボディが短いので、ずんぐりむっくりとしたこの体型は、一見うさぎには見えないことも多いようです。体の大きさに似合わず太くて大きな足を持つため、後ろ足の蹴りが他品種に比べ、かなり強いと言われます。
またクラウンと言って、 頭のてっぺんから後頭部にかけて少し長い毛が盛り上がった部分があります。ARBAのラビットショーではこのクラウンと目の幅によって評価が変わるようです(近いほど望ましい。おうちのうさぎには関係ないからね…)。
毛質とケア
短毛種。毛の長さは2.5cmと短い。しかし毛が柔らかく密集しているのでブラッシングは欠かせません。換毛期は長毛種よりも多く毛が抜けるため、マッサージは地肌を中心に毎日する必要があります。
換毛期以外はコームを使用し、毛を整えながら皮膚に空気を届かせる程度でよいでしょう(毎日または2~3日に一度)。オスは特にお尻まわりを汚しやすいので注意が必要です(汚れがひどい場合はシャンプーも検討しましょう)。
また、食欲旺盛なこはペレットやおやつの量に注意しましょう。気づくと肥満気味に…。男の子なのに立派なマフ(胸元の脂肪)があるこがいます。体重の増加はさまざまな病気を招きます。
給餌量は獣医さんと相談しながらうさぎがストレスがたまらないように段階的に減らしていきます。牧草をよく食べるこでしたら難しくないと思います…。
性格
ロップの持つのんびりとした穏やかな性格を想像するとホーランドロップは少し違うようです。なぜならそこにドワーフの血が混ざっているから。
やんちゃで落ち着きのないドワーフの血筋を受け継いでいるホーランドロップは、物静かでおとなしいというイメージを持ちながらも、部屋中を走り回り、好奇心が大変旺盛という一面もあわせ持ちます。
飼いやすさ
人懐こさが他の品種より強くあるので、かまってちゃんタイプが多く、オスとメスとの性格の違いが大きいのも特徴。起きている間は忙しく動き回っているか、飼い主さんに甘えていることが多いようです。人懐こさは抜群で、見知らぬ人にもすぐになつくコも少なくないよう。環境の変化よりも飼い主さんが側にいないことの方がストレスにつながると言われています。
オスとメスの性格の違い
- オス(タイプ…犬)
べったり型、飼い主に依存することが多い。発情期は欲望が大きく、マーキングも激しくなる。常にかまってあげられるほどよい(時間が取れない方は不向き)
- メス(タイプ…猫)
押しが強い、自分で何でもできるマイペース型。気分の移り変わりが激しい。撫でられるのは好き。でも常にかまわれるのは嫌(共働きなどで留守番の時間が長い方向き)
※性格の違いは個体差によるものが大きいのも事実。メスでも犬タイプのようにべったりの子もいれば、オスなのにマイペースな子もいます。
豊富なカラーバリエーション
カラーバリエーションが豊富なホーランドロップ。色や模様によって見た目の印象も大きく変化します。
色のグループ分けはタイプ別に全部で8つに分類されます。
- アグーティ・グループ
チェストナット・アグーチ、チンチラ チョコレート・アグーチ、チョコレート・チンチラ、リンクス、オパール、スクワレル - ブロークン・グループ
ブロークン(白地にスタンダードカラー全て…ブラック・ブルー・トータス・オパール・チェスナット・トート・スモークパール・オターなど)、トライカラー - ポインテッド・ホワイト・グループ ブラック、ブルー、チョコレート、ライラック
- セルフ・グループ
ブラック、ブルー、チョコレート、ライラック、ブルー・アイド ホワイト、ルビー・アイド・ホワイト - シェイデッド・グループ
セーブル・ポイント、サイアミーズ・セーブル、シール、スモーク・パール、トータス(ブルー、ブラック、チョコレート、ライラック) - タングループ ブラックオター、ブルーオター、チョコレートオター、ライラックオター
- チックド・グループ
スティール(ティッピングは、ゴールドとシルバーの2種類で、カラーはブラック、ブルー、チョコレート、ライラックの4種類) - ワイド・バンド・グループ
クリーム、フォーン、フロスティー、オレンジ、レッド