冬のグルーミングケア

おうちの中で暮らすうさぎは、冬場も空調などの利用で一定の室温を保つことができるため、季節の移り変わりを肌で感じることはできません。また加齢や不妊手術ホルモンが乱れる影響から、はっきりとした換毛期がなく、一年中だらだらと毛が抜け続けるうさぎも多いのです。うさぎは毛づくろいをすることで胃腸内に被毛をため込んでしまうので、冬でも飼い主さんの手でこまめにグルーミングをしましょう。毎日のコミュニケーションとして習慣化することで、健康チェックやマッサージにもなります。うさぎも飼い主さんも楽しみながらできる、楽ちんグルーミングを目指しましょう（うさぎと暮らす42号より加筆訂正）。

冬の抜け毛

うさぎは本来、春と秋に換毛期があり、そのつど大量の脱毛があります。春は外気温を「暑い」と感じるとアンダーコートが抜け落ち、オーバーコートに生え変わります。秋は外気温を「寒い」と感じたことによりオーバーコートが抜け落ち、アンダーコートに生え変わるというわけです。

うさぎも衣替えをしている時は体力を使いますので食欲旺盛になることもあります。食事量を増やしてよいかはかかりつけの獣医さんやうさぎ専門店で相談してみましょう。冬場は栄養をためこんで運動量が減るので太りがちになるかもしれません。

飼い主さんは「あ～また換毛か…」ではなく、「頑張って衣装を脱ぎ変えているのだな」と温かい目で見守りましょう。

うさぎによっては換毛によって毛質が変わったり、カラーの状態が変化し、より濃い色になることもあります。

グルーミング基本の道具

・グルーミングスプレー
・ブラシ、コーム（毛質や毛の長さに合わせて選ぶ）

おうちのうさぎの毛に合った用品はうさぎ専門店に相談すると的確なアドバイスがもらえます。換毛期とはいえ、シリコンブラシでゴシゴシすると剥げてしまうこともあり、適度なところでやめることやうさぎに負担をかけない力加減も必要なので、プロのグルーミングを間近で見て、ブラシのかけ方を覚えることも大切です。

ハンドグルーミング

通常の抜け毛ケアはハンドグルーミングで充分。慣れれば毎日でも楽にできます。仔うさぎのグルーミングの練習や、ブラシを使うのが苦手な方にもおすすめ。

①イスや床に座り、ヒザに乗せたうさぎにグルーミングスプレーをかける。少し遠くからかけると、霧状になって全身に均等にかけやすい。

②手のひらを大きく使ってくしゃくしゃと毛の中に水分をなじませる。毛束がなくなり全体にしっとりとしたらＯＫ。

③手をこすり合わせると抜け毛がまとまるので捨てる。「くしゃくしゃ→手についた毛を捨てる」を２、３度繰り返し、手に毛がつかなくなったらやさしく毛並みを整えて終了。

換毛期にはブラシ、コームを使いましょう。ハンドグルーミングで浮き上がった毛を効率的に取り除くことができます。

★ブラシ使いのコツ
真っすぐブラシをかけても毛はあまり取れない。少し斜めにブラシをあてた後、逆方向に斜めにブラシをかけると取れやすい。

★コーム使いのコツ
下から毛をすくって、少し圧をかけながら手首を返すと、浮いている毛が抜ける。

★お腹のグルーミング
仰向け抱っこでグルーミングするのは避ける。ヒザの上で横向きに座らせ、お腹の皮膚を上にたぐり寄せた状態でやさしくブラシをかける。終わったら逆向きに座らせて同様に。うさぎは皮膚にゆとりがあって伸びるので、これでお腹の大部分はブラシをかけることができる。

※うさぎは毛を逆なでされるのを好まないので、特に背中から首へ逆なでをするのはやめましょう。グルーミングや人間の手を嫌いになってしまうこともあります。

★抱っこしてブラッシングができない方へ

どうしても紹介したようなブラッシングをする場合は、抱っこ（保定）が必要です。ところがうさぎは抱っこが好きではないので、できない方も少なくありません。よくおられるのが『うさぎが横たわっている時に背中のあたりをブラシしています』というケースです。しかしこれですと、大量の抜け毛が毛と毛の間に挟まったままですし、お尻の周りなど毛をためこみやすい部位もあります。抱っこができない場合の方は、特にうさぎ専門店でのケアを頼るしかありませんが、これまた近くに専門店がないという方もいらっしゃると思いますので、せめて小さなキャリーに入れられることができれば、編集部がご案内する講師と飼い主さんでリモートで最低限のアドバイスもできると思いますので、一人で悩まず編集部の方へお便りください（info@usakura.tokyo)。