我が家の次男、ネザーランドドワーフのZeroについてのお話です。1歳になる前にお迎えした彼は、とんでもなく偏食でした。私自身、何百匹とうさぎさんに関わってきましたが、「こんなに偏食な子は初めてかもしれない…」というくらいの偏食ぶりでした。今年で8歳になる彼のお話、もしかしたら偏食で悩んでいる飼い主様の参考になるのではないと思い、備忘録を書いていこうと思います。
文・写真/Lunaさん
お迎え当初
最初の出会いはお店のHPで彼を見かけたことでした。すぐに面会予約をし、お膝抱っこをさせてもらいそのままお迎えを決めました。当時はお家にすでにZeroと同い年のホーランドロップの男の子、現在はお月様在住のホーランドロップのおばあちゃんがいたので3匹目の家族となります。「お迎えしてしばらくはお店と同じペレット・牧草・おやつをあげてください」と言われていた為同じものを用意。新品のケージやトイレ、しっかりと準備した状態で彼を迎えに行きました。
究極の偏食うさぎ
第一の関門 “お水を飲まない”
お家に到着して、しばらくはケージの中で様子を見ていました。…が、一切お水を飲もうとしませんでした。お水ボトルを認識していないのかな?と思い声をかけたり、取りはずして彼の近くに持っていってみたり。…が、一切見向きもしません。お店ではお水ボトル使っていたのに…?
取り急ぎお皿にお水を入れて置いたら飛びついて飲んでいたので、喉は乾いていたようです。しかし、その瞬間だけたくさん飲み、その後はお皿のお水も無視するように…。今年で8歳となる現在でも、結局水ボトルは使えずお皿型のお水入れを使用しています。
★お店でやっていたことをお迎え後同じようにできるとは限らない
第二の関門 “ペレットも牧草も食べない”
「お店で食べていた」というペレットをあげてみましたが、お水ボトルと同様見向きもしません。ペレット入れの高さが悪い?入れ物が好きじゃない?と入れ物の方も調整してみましたが、興味なさそう~にこちらを見るだけ。お店では1番刈チモシーとアルファルファをあげていたとのことだったのでこちらも同じものを用意しましたが、もちろん食べません。本当にこれ食べてたの…?
先住うさぎさんが食べていたペレットを試してみたり、嗜好性が高いというペレットを買ってみたり、価格が安い~高いもの、グルテンフリーやアルファルファベース、最早逆にシニア用とかどうだろう…!?と、当時一般的に発売されていたペレットはほとんど試したといっても過言ではないくらい様々なペレットを試しました。牧草も同様、1番刈~3番刈、オーツ、ウィート、クレイン、生牧草、産地やメーカーを変えてみて色々と…。彼は当然の如く食べてくれません。ひたすらにペレット・牧草の在庫が増えていく日々でした。うさぎさんは味蕾が発達している動物、非常にグルメであることは理解していましたが、まさかここまでの子が現れるとは…。
★食べなかったものは在庫を抱えることを覚悟しておく
第三の関門 “副食を食べない”
我が家では副食(おやつ)として、生野菜を基本に乾燥フルーツ、乾燥野草をあげています。Zeroもお迎え当初すでに大人の身体、同じものをあげようと考えていました。…ですがここまで読んでくださった方は想像がつくと思います。どれも全く食べません。生野菜に至ってはケージ内に置いておくだけで、嫌がってその付近に近寄ろうともしません。ただお店にいた頃はあまり生野菜を食べる機会が少なかったと思うので(見たこと自体なかったかもしれません)生野菜を食べないのはまだ理解できます。辛うじて食べたものとしては「乾燥りんご」のスライス。約5cm程度の乾燥りんごのスライスは初見から食べてくれたのですが、それも朝あげたら夜は食べないという始末。乾燥パパイヤ、乾燥葛の葉、こちらも様々なものを試しましたが、5歳になるまでに食べたおやつは結局この乾燥りんごのスライスのみでした。「うさぎさんは甘いものが好き」は都市伝説…?
★甘いものを好まないうさぎさんもいる
体調が悪い?緊張している?
本当に何も食べない為、歯が伸びていたりうっ滞を引き起こしていたり、体調不良を疑い病院へも連れて行きました。結果としては「健康そのもの」。歯が伸びている訳でもなく、胃腸の動きが停滞している訳でもなく。血液検査の結果も正常、尿検査も問題なし。セカンドオピニオンにも行きましたが結果は変わらず。診察室の床でタオルを広げてうさぎさんを囲い、「何で食べないんだろうねぇ…?」と頭を抱えている獣医と飼い主の姿はとてもシュールだったと思います。
緊張によって食べないのかな?とも考えました。ですが、部屋んぽ中はご機嫌ジャンプをたくさん見せてくれて、ケージ内でも足を伸ばしてリラックスする姿も見せてくれて、食欲が落ちるほど緊張しているようには見えません。うんちもたくさんして盲腸便を残している様子もありませんでした。先住うさぎさんがいるストレスも考えた為、部屋んぽ中はケージカバー+ケージ前に柵+クッションと鉄壁のガードをしたおかげで先住うさぎさんを気にも留めずに走り回っていました。もしかしたらケージ内に置いているマットやケージカバーを引きずり込んでるのかも…と確認しましたが、そちらも全く何もなく。かといってガリガリに痩せていたり、被毛がボロボロというわけでもない。「…君は一体何を食べて生きてるんだい…?」
★体調不良、緊張している、ストレス以外の理由でも食べないことがある
まとめ
お迎えした子がどのような性格なのか、実際のところお迎えしてみないとわかりません。Zeroもお店では「しっかりご飯を食べる子です」と聞いていました。が、いざお家に来るととんでもなく癖の強い偏食っ子。彼が健やかな兎生を送れるかどうかは飼い主の私にかかっています。どんな子だろうと大切な我が子です。何とかご飯を食べてほしい…!
次回は頑固な偏食うさぎ、Zeroにどのような対策をしたか書いていこうと思います。
偏食うさぎの備忘録②へ続く