うさぎの基本

かわいいうさぎのしぐさ!【前編】

愛うさぎのかわいいしぐさ、変わったしぐさ、面白いしぐさ。また気になるしぐさ、よくわからないしぐさなど、うさぎのさまざまなしぐさを見ていくと、表情の豊かさに気付かされることでしょう。
読者投稿を元にうさぎのさまざまなしぐさを一挙紹介! しぐさから見る感情なども解説します。これをきっかけに、もっとうさぎと心が通じ合えるかも…。監修/中山ますみ[らびっとわぁるど](うさぎと暮らすNo.30より改編)

読者に聞く人気のしぐさ

各パーツから感情を読み取る

うさぎは「しぐさ」以外にも各パーツ(部位)でその感情を探ることもできます。

どんな気持ちかな?

目⇒いわゆる「目つき」

目の表情で、「怒っている」、「気持ち良い」、「具合が悪そう」、「楽しい」、「おびえている」などたくさんの感情表現をしています。「目」はすべてを物語っているといえるかもしれません。

鼻の動きの速さや広がり方などで、「落ち着いている」「興奮している」「注意深くなっている」などの感情が読み取れるでしょう。

立ち耳うさぎはロップイヤー種よりも音がよく聞こえ、視界も広くなります。ロップイヤー種でも聞き耳を立てる時は耳をピーン! と立たせることも・・・。左右別々に動くので、色々な方向からの音を聞き分けています。

おしり

おやつなど大好きな物を食べている時、喜びのあまりお尻や太ももあたりが「ピクピクッ!」

しっぽ

しっぽをフリフリと横に振り、「嬉しい」や「緊張」などを表したり、しっぽをそり返して匂い腺を全開にしたりと多様な働き。もちろんジャンプ時のコントロールも!

人気のしぐさ

「毛づくろい&ティモテ」

毛づくろい

うさぎはとってもきれい好き。毎日自分の毛の手入れはかかせません。念入りに全身をなめてきれいに毛づくろいをする光景はよく見かけますね。これはただおしゃれでしているわけではありません。自然界で、うさぎは捕食される側の動物です。体ににおいが付いていれば、その匂いが風にのって漂います。それをかぎつけられると、においを辿っていつ敵が襲ってくるかわかりません。
だからいつでも身体をきれいにして、「無臭」を保っていなければいけないのです。
そんな習性が今でも残っているようですね。
例えば気持ち良さそうになでなでされていたと思ったら、急に飼い主さんの手を逃れて丹念に毛づくろいを始めるといった行動。
人間からすると、「ちょっと失礼なんじゃないの?!」と思ってしまうようなこの行動も、うさぎにしてみれば当たり前のこと!
自分の体についた人の手の脂などをうさぎは敏感に感じ取り、本能的にそのにおいをなめて消そうとしているのです。
「きちんとうさぎのお仕事して偉いね~♪」などと笑ってあげましょう!

「ティモテ」

アンケートでも1番人気の「ティモテ」。誰もが「かわいい!」と言ってしまうしぐさです。
上手に耳を両手で挟んで、口元へ持ってきてクシュクシュ。耳が短い種類のうさぎは口元に耳が届かなかったり、なかなかうまく耳を両手で挟めない不器用な子もいますが、それでもみな一生懸命耳洗いをしています。
聴覚の発達したうさぎにとって、音を聞き分ける耳は身体の中でも特に大切な部分。そんなうさぎの耳には、多くの「ツボ」も存在しています。
耳の表裏を指で挟みこみ、優しくマッサージしてあげてみてください。自分で耳洗いをしていると勘違いして、ペロペロと手や床をなめ始めるかも・・・。
その時の表情はうっとりとして、気持ち良さそうな顔をしているはずです。うさぎにとっての「耳洗い」は、そんな気持ちの良いマッサージにも通じるものがあるのかもしれません。

シャンプーのCMに由来していますね…

「顔洗い」

うさぎはとってもきれい好き。それは顔を洗う前に、「パシッパシッ!」と両前足をはたいているしぐさにも表れています。
本来土の上や中で生活しているうさぎ。顔を洗う前に、まず前足についた土を払わないと、顔が土で汚れてしまいますよね。
両前足をはたき終わったら、今度は手のひらをていねいになめてきれいにします。
きれいにし終わると、ゆっくりと顔を洗い始めます。手のひらをなめたことで、手のひらの毛が濡れ(湿り)ます。その濡れた(湿った)状態で汚れた所や匂いのついている場所などをこすることできれいになるのです。
「顔洗い」をするきっかけとしては、野菜などを食べて口周りが汚れた時もそうですが、他に真剣に何かのにおいを嗅いだ後にも、決まって顔を洗う習慣があるようです。
これは鼻についたにおいの分子をきれいに拭き取るため。いつでも新しい匂いに敏感に反応できるように、においの分子がくっついたままにならないよう気をつけているのですね。
そしてもう1つ、うさぎ自身に緊張が感じられた場合、毛づくろいをすることで自分を落ち着かせようとします。これは私たちが困った時などに頭を掻いてしまうのと同じ行動です。

「寝る&ゴロン」

うさぎの寝姿、ゴロンと横になった姿は、究極の癒しのしぐさといえるかもしれません。
「ドスン!」といきなりひっくり返る子、静かに「コテン」と横たわる子など、その寝ぐせ?!はさまざま。
目をバッチリ開けて寝る子、完全につぶってしまう子。丸まってじっとしているかと思えば、夢を見ているかのように身体がピクピク、口をムニャムニャ・・・。
トイレなどを枕にしてみたり、お腹まるだしであお向けに寝る子まで・・・。かなりバリエーションに富んでいます。
うさぎは目を開けたまま浅い眠りを多くとるのが基本。だから「うちの子はいつ見ても目を開けていているけど、睡眠をとってないの?」という心配は無用です! 
目を開けていても、鼻が動いていなければちゃんと寝ています。

「ジャンプ&走る」

「ジャンプ」

うさぎのジャンプ力はかなりのもの! 軽い障害物などはピョーンとひとっ跳びで飛び越えます。
さらに勢いがついてくると、突然垂直ジャンプをしたり、空中で身体をひねったり、ブルッと頭を振ってみたり・・・色んな技を見せてくれることも。
これはうさぎの「楽しい! 嬉しい!」という喜びの表現。
華麗なジャンプを見せてくれたら、おおいに褒めて、「楽しいねぇ~! すごいジャンプだね~!」などと一緒に楽しんでください。
どんどんうさぎのテンションは高くなり、更にすごい技が飛び出すかもしれません。

「走る」

ジャンプと同じく、発達した脚力を持つうさぎは走りも大得意。
飼い主さんの足の周りや、物の周りを8の字にクルクルと回るのは、うさぎが「楽しい」時や「求愛」の表現をする時の代表的なしぐさです。
興奮が高まってくると、おしっこをひっかけること(スプレー行為)もしばしば見られます。
あまりにもスプレー行為がひどくなってきたら、いったんケージに戻すなどして興奮を冷ましてあげましょう。
また、飼い主さんを追いかけたり、追いかけられて逃げたり・・・という「追いかけっこ」遊びをするうさぎもいます。
優しく「ブゥ、ブゥ」と鼻を鳴らしていたら、楽しく遊んでいるサイン。
でも、急速に走ってきて足元で急ブレーキをかけ、足ダンをしたり、激しく「ブッ、ブッ」と鼻を鳴らしてパンチを繰り出してきたら・・・威嚇行動かもしれません。時には、人間がからかわれている場合もあります。

「のび&あくび」

人がのび・あくびをするのと同じで、うさぎも同じ行為をします。
「のび・あくび」には様々な説がありますが、血中の酸素濃度が低下した際に、酸素を取り込むために「のびやあくび」をしているのではないか? という「低酸素説」がもっとも有力とされています。
うさぎたちはくつろいでいても、寝ていても「何かがあったら、すぐに逃げられるように!」という遺伝子レベル的な本能があります。
そのため、適度にのびやあくびをして酸素を取り込み、身体を動かす準備をおこたらない・・・というわけです。
でも、単純に「眠~い!」と大あくびしている子もきっといるでしょうね。

「なでる&リラックス」

「なでる」

うさぎはなでられる、人間はなでる。お互いにとても気持ち良い至福の時間です。
まれになでられるのを嫌がる子もいますが、ほとんどのうさぎは「なでなでして~」と催促してきます。
そんなしぐさにメロメロになり、ついつい何時間でもなで続けてしまうという飼い主さんも多いのではないでしょうか。
なでる時には、「ゆ~っくり・・・ゆっくり」となでてあげましょう。
しだいに飼い主さんもほんわか心が落ち着き、そんなリラックスした雰因気がうさぎを包み込み、「気持ちいいなぁ~」とうさぎはゴリゴリ歯ぎしり。体の筋肉もゆるんで、和みの一時を送れます。
「なでさせない」子の場合は、次の点に注意して徐々に慣らしていくとよいでしょう。
① なでられると逃げる=「上下関係」という主従関係を重視したうさぎの考えが強すぎるようです。徐々に「なでられると気持ちいい」ということを教えていきましょう。
② なでようとすると咬もうとして口を開ける⇒人間の手が怖いのではないでしょうか。無理になでずに優しい声で話しかけ、少しずつ緊張や誤解を解きほぐしてあげましょう。

「リラックス」

足を投げ出してまったり寝そべったり、身体が「フニャ~」と脱力してスヤスヤ。日なたぼっこしながらウトウト・・・。
そんな風に気を張らずリラックスしている姿は、見ている方まで心が穏やかになってきますね。
うさぎのリラックス度は、飼い主さんとの信頼関係の上に成り立っています。プラスうさぎの性格も考慮する必要があります。
例えば「横になるorならない」「おなかを見せるor見せない」・・・その子なりの「リラックスの仕方」がありますので、「うちの子はこれをやらないんだけど・・・」などと悲観的にならずに、「こんな子もいるんだ~♪」と楽観的になってみてください。
飼い主さんがリラックスしていれば、うさぎもリラックスできます。
最初は離れたところで寝そべっていたうさぎが、いつの間にか飼い主さんの傍にベッタリと横たわっていたり、なでられたまま眠ってしまったり。一緒にリラックスした時間を楽しめば、二倍の幸せが得られることでしょう。

次回に続きます。