うさぎはたち耳・たれ耳、毛足が短いタイプ・長いタイプなど、バラエティ豊かな品種がいるのが魅力です。ここでは品種やカラーについてご紹介します。
「うさぎ」について
おうちでみなさんがお世話しているうさぎ、野山や動物園などで見るうさぎは見た目は同じ種類に見えます。しかし、この二つは生物分類で言うと「科」は一緒ですが、「属」は異なるのです。生体の特徴が異なります。
ウサギ目はナキウサギ科とウサギ科に分類され、ウサギ科にはノウサギ、アナウサギ、アマミノクロウサギなど一般的なうさぎが属しています。なお、日本ではうさぎを総称して「ラビット rabbit」と呼びますが、ラビットはアナウサギのことで、ノウサギは「ヘア hare」で分類が異なります。ノウサギ属は20種類以上おり、国内にもエゾユキウサギ、トウホクノウサギ、ニホンノウサギ、キュウシュウノウサギなどが生息しています。草原や森林で暮らし、敵から身を守るため、保護色として毛色を夏は茶褐色、冬は白色に変化させます。天敵から身をひそめて極度のストレス下で暮らしていることから寿命は3年前後と言われています。ノウサギは生まれた時から目が開いていて被毛もあります。巣穴は作らず、安全なところを探して暮らします。
一方、アナウサギは生後2週間くらいまで目が開いておらず、毛も生えていません。群れで暮らし、「ワーレン」と呼ばれる巣穴を作って出産をします。ノウサギより体が小さく、前足が短いのが特徴です。ウサギ科アナウサギ属はアナウサギの一種しかいませんが、現代でペットにされているうさぎはアナウサギをペット用に改良したカイウサギです。前回お話したように、カイウサギはアナウサギの習性を残しているため、お家の中で床をホリホリしたり、マーキングをすることがあるのです。
うさぎの品種
現在ではカイウサギにはさまざまな品種があり、ペットウサギとして世界中の人に親しまれています。
ペット先進国であったアメリカでは、1910年にうさぎのブリーダーによる協会、ARBA(アメリカン・ラビットブリーダーズ・アソシエーション)を発足し、長い年月をかけて品種の管理や血統の登録、ラビットショーなどを行い、純血品種を生み出しています。
日本でもうさぎ愛好家が足を運び、こうしたうさぎを輸入するなどして、1990年代には、国内にうさぎ専門店やアメリカンラビット専門店が誕生し始めました。
それまではうさぎと言えば日本白色種(白いボディに赤い目)のうさぎやミニウサギ(ミックス)がポピュラーでしたが、ネザーランドドワーフやホーランドロップなどの純血品種が扱われるようになりました。
それまでのうさぎと比べると格段と高価でしたが、愛好家にとっては待ち望んでいたことでした。
うさぎの飼育方法も、こうしたうさぎ専門店が提案する、庭の小屋から住居の中でケージへと移り変わり、コンパニオンアニマル(伴侶動物)として人と共生するスタイルに変わり、うさぎに適した用品やフードも続々と開発されるようになりました。
うさぎの主な品種
mixウサギ
体重はさまざま。いろいろな品種の血統が入っている。
ネザーランドワーフ
体重は約0.9~1.1㎏。短い耳にコンパクトな体。
ホーランドロップ
体重は一般的に1.8㎏まで。オランダで作られた小さな垂れ耳うさぎ。
ダッチ
体重は約1.5~2.5㎏。ツートンカラーが自慢。パンダうさぎではない。
ジャージーウーリー
体重は約1.3~1.6㎏。美しく長い被毛を持つ。ネザーとフレンチアンゴラを交配して作られた。
ミニレッキス
体重は一般的に1.9㎏くらいまで。ベルベットのような美しい被毛。
イングリッシュアンゴラ
体重は2.3~3.4㎏くらい。全身が長毛におおわれている。アンゴラでは一番小さな品種。
ヒマラヤン
体重は約1.5㎏。目が赤く、鼻先、耳、四肢の先端、尾に黒毛がある以外は白い。
ドワーフホト
体重は一般的に1.4㎏くらいまで。目の周りのアイバンドが特徴。
アメリカンファジーロップ
体重は約2.3~3.4㎏。ホーランドロップを改良した毛の長い小さな垂れ耳うさぎ。
イングリッシュロップ
体重は4㎏以上。長い耳を持つ大型の垂れ耳うさぎ。
フレンチロップ
体重は4~5㎏くらい。フランスで作られた大型垂れ耳うさぎ。
ライオンヘッド
体重は約1.5㎏。顔の周りにライオンのようなたてがみがある。
モデル/うさぎのしっぽ、イングリッシュロップ:ラビットパンプキン、フレンチロップ:プチラビトリー