うさぎの健康

うさぎの健康管理 その3

飼い主さんはうさぎの一番身近な看護師さんです。小さな異変でも気づけるようになった時、動物病院で的確な治療を受けることが大切ですが、それ以上に家庭での看護は、うさぎの病気を治していく上で、重要になってきます。いかにうさぎに負担をかけずに看護ができるか、その方法を考えてみましょう。(うさぎと暮らすNo.24より改編)

ホームケア

うさぎに負担にならない投薬


強制給餌や薬を飲むことは、うさぎにとって喜ばしいことではありません。そのため、普段は抱っこが好きな子でも、暴れてしまうことも考えられます。暴れると背骨が折れるなどの事故にもなりかねません。

より安全に行うために、普段から自発的に飲んでもらえるようシリンジやスポイトに慣れるトレーニング(シリンジに100%リンゴやパインジュース)をしておくとよいでしょう。またお薬が粒子か固形である場合は、バナナに混ぜたり、葉物(しそ、葛の葉、セロリの葉など)で巻くといった方法で与える練習もしておきましょう。

この際、薬を食べ残すことがないように、食べ切れる量にまぶしてあげてください。飲料水に入れる時も、飲み切れる水に溶きましょう。

うさぎに処方される薬には、顆粒・錠剤・シロップがあります。錠剤や顆粒は、うさぎの口の構造上、とても飲みづらい形状です。もちろん、おやつ感覚で食べてくれる子なら、そのままあげても構いません。食べられない子には、大抵の薬は溶かしても大丈夫なので、処方してもらう際にシロップにしてもらうといいでしょう。また、家で薬を水に溶く場合は、水に溶いていい薬かどうかを確認して、10cc程度の水に溶いてあげましょう。シロップは、あげる前によく振ってから、シリンジで指示された容量を正しく計量し、しっかりと保定し、口の脇から流し入れるようにしましょう。錠剤を家庭で砕くには、錠剤カッターや乳鉢ですりつぶすといいでしょう。

シリンジは粉薬の場合は、細いタイプやスポイトでOK、流動食は太いタイプを使いましょう。

上からシリンジ30ml、1ml、先が丸いスポイト

保定の仕方

リアル系のぬいぐるみで練習しましょう

保定はうさぎの体調に何かあった時、緊急避難時と何かと必要な場面が出てきます。普段からブランケット、バスタオルなどで体を包んで、顔だけ出させて行うと練習をしておきましょう。アナウサギなのでくるまれることをそれほど抵抗しません(抵抗する子も最初だけ、しばらくするとギブアップ…)。

まず、飼い主さんの体勢はあぐらをかいて上から座布団を乗せるなどして、うさぎの体が固定されるよう安定させましょう。

抱き上げた時は、最初からブランケットなどで巻かず、しばらくは脇に顔をはさんで、頭や背中をなでて、リラックスさせてあげましょう。

ブランケットを使う場合は、顔部を除く体全体をくるみます。決してきつい状態にはせず、動くスペースは与えない程度の閉まり具合にしてあげましょう。

お耳の中をチェック

給餌の仕方

給餌するときは、仰向けで飲ませると、肺に流動食や薬が入ってしまう可能性があるのでNGです。うさぎが伏せたままか(この場合はシリンジを使いづらいので、助っ人がいります)、顔から背中が起きている状態であげるようにしてください。

うさぎの口には真正面からシリンジやスポイトをあててはなりません。シリンジの先をかじられてしまうだけです。必ず口の脇(端)から優しく差し込みましょう(前歯の裏側に入ります)。脇からはさむと、うさぎは自然と飲み込む行動をしてくれます(しかし意地でも飲み込まず、でろでろ~っと出てくることもあります…)。ゆっくり口内に押し入れましょう。

慣れていない時に無理に多く飲ませようとすると、肺に入ってしまう危険もあるので、徐々に量を増やして、うさぎも飼い主さんも慣れるようにしましょう。強制給餌は、してはいけない病気の場合もあるので、行う時は必ず先生の指示に従って行いましょう。
流動食や薬が必要な時というのは、安静が必要な時期でもあります。なるべくストレスをかける時間を短縮するようにしましょう。


投薬は動物病院の処方によるもので指示を仰ぎながら行うものですが、強制給餌においてもシニアになって自身でご飯を取れないという場合以外、『食欲が落ちているから…』といった理由でご自身の判断で行うのはNGです。

食欲不振の原因が何だかわからないからです。もしかしてうんちも出ておらず、お腹の中に食べ物やガスがたまっていることもありえます。そこへ「流動食」を押し込むのはかえって体調を悪化させてしまいます。かかりつけの病院にまず電話を入れ、状態を説明して指示を仰ぎましょう。

本来、強制給餌の目的は、繊維質を取らせて腸を動かすことです。そのため、水分が少なく、繊維質の多い、うさぎ用流動食を動物病院でもらうのが理想です。流動食が手に入らない場合は、繊維質の高い野菜(大根の葉、ニンジンの葉、小松菜など)をミキサーにかけてあげましょう。水分が多く繊維質の少ない野菜(キャベツやレタスなど)は、一度に飲ませられる量に限界があるので、できるだけ避けてください。

ただし、繊維質の少ないものでも好物であれば、隠し味として入れるのはOK。その子好みの味にしてあげるとよいでしょう。

薬を塗る

大抵のうさぎは、薬を塗ってもなめてしまうので、塗り薬はあまり向いていませんが、塗る時は、毛をかき分けて、患部に薄く塗ります。塗った後は、最低10分はなめさせないようにしてください。10分経つとほとんどの薬の成分は吸収され、皮膚には基材だけが残るので、その後はなめても大丈夫。ただし、薬によって吸収時間は前後するので、処方された際は、先生に必ず確認してください。薬を塗った直後は、患部を包帯でゆるく巻いたり、エリザベスカラー(細菌は布タイプもありますね!)を10分だけするようにするといいでしょう。または10分間、薬を塗られたことから気がそれるように、一緒に遊んだり、好物でつって気を紛らわすのも効果的です。

目薬をさす

目薬をさす時は、強制給餌と同じようにうさぎをタオルで巻いて行うのも良いですが、仰向け抱っこが好きな子なら、仰向けにしても構いません。
目ヤニがたくさん出ている時、そのまま点眼しても、薬の効果があまり出ないので、まずコットン(毛羽立ちにくいもの)で、できる範囲内で目ヤニを取ってください。
薬が毛につかないように、片手で目の下をコットンで押さえておき、もう一方の手でまぶたを開いて、上から落とします。嫌がる子には、目薬を見えにくい後方から垂らしたり、眼球の上の白目の部分をまぶたを開いて出し、白目に垂らすと、本人は見えていないので、さしやすいでしょう。

お腹の音を聞く

お腹は、人間の耳に聞こえるほどの大きさで「キュルキュル―」という音がすることがあります。うさぎは、食べたものは8時間程度で排出されます。健康ならば、食べたものがお腹で発酵してガスが溜まることはまずないでの、音がするということは、腸の動きが悪いということ。食欲も落ちているようでしたら病院に連れて行ってください。

聴診器があれば、定期的に音を聞くとよいですが、聴診器でしか聞けないような小さな音は、日頃は気にしないでも大丈夫でしょう。聴診器を使う場合は、右胸、左胸、お腹と、聞く場所をいつも決めて音を聞いてみて、日頃の音を覚えておくことが大切。音に違和感を感じたら、病院に連れて行きましょう。

例えば、うっ滞なら水っぽい音、ガスが溜まっている時には、弾くとポンポンと音がします。聴診器は、軽く当てると、毛のこすれる音を拾ってしまいます。それをお腹の音と間違えてしまうこともあるので、しっかりと当てるようにしてください。
ただし、うさぎが嫌がるのなら、ストレスになるのでしないこと。スキンシップの一環としてうさぎが受け入れてくれるかどうかで判断しましょう。また、冷たい聴診器を押し当てると嫌がることもあるので、当てる前に息を吹きかけるなどして、温めてから当てるようにしてください。

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