水シリーズの最終回です。今回は飲水量の過不足で疑われる病気と普段からあまり水を飲まないといううさぎに向けて、飲んでもらうためのアイデアをご紹介します。
監修/沖田将人院長(富山県・アレス動物医療センター)
飲水量の過不足で危惧される病気
水を飲む量が少ない!?
1日の平均飲み水量よりもあきらかに少なすぎる場合、まずは給水器につまりがないか異常がないか、新鮮な水であるかチェックしましょう。また、生野菜やフルーツを与えすぎていないか、食生活も確認しましょう。
その上で「いつもよりうさぎの食欲がない」「おしっこが出ていない」という状況を確認したら、すぐに病院へ行きましょう。
疑わしい病気
水を飲む量が多い!?
1日の平均飲み水量よりもあきらかに多く、おしっこの量も多いことが数日続くようであれば、早めに病院へ行きましょう。
疑わしい病気
病気を防ぐために…
飲水量は、季節や運動量、食べているフードなどによって量が変わってきます。夏と冬でどれくらい違うのか観察したり、日々の排尿の回数や量を注意して見てあげる事が大切になります。水は常に新鮮なものを用意し、うさぎが飲みやすい食器で、いつでも飲めるようにしてあげましょう。
飲み水に工夫をして飲水量を増やす
アイデア1「状況に合わせてハーブ入りウォーターにしています」
寺村万紀さん(埼玉県・JAPAS 日本アニマルフィトセラピー
学術協会認定プラクティショナー)
うさぎの状態に合わせてハーブウォーターを活用しています。原因不明のうっ滞のときはよもぎを入れて、外出などストレスがかかりそうなときはカモミールを入れています。
作り方はハーブを入れたペーパーフィルターに、お湯を注ぎエキスを抽出して、ボトルに入れて冷ましたものを給水ボトルに入れています。エキスはそのままだと濃いので、だいたい400mlの水に20~40%くらいに薄めています。味がおいしいからか、だいたい2割~3割増しくらいで水を飲む量が増えます。
アイデア2「白湯(さゆ)にしています」
中山ますみさん(東京都・らびっとわぁるど)
お店のちいちゃんは冷たい水が苦手でほとんど飲まないので、あるとき白湯を入れてあげるとゴクゴク飲みました。それ以来白湯にしています。
白湯はわざわざ沸かさなくても、水道の熱湯で大丈夫。胃腸の動きが鈍っている子にシリンジで飲ませることもあります。体温より少しぬるいくらいの温度にすることで体液に近い働きをするのかもしれませんね。