前回「大切なうさぎのために…もしものためのアレルギーチェック(1)」では、アレルギーの起こる仕組みや検査、治療などについてご紹介しました。今回は『うさぎと暮らす』読者さんにお聞きしたアレルギー体験や対策などについてご紹介します。(うさぎと暮らすNO.67より改編)
私のアレルギー対策
アルファルファからチモシーに切り替えた時に発症
Hさん(神奈川県)
Hファミリーには他にもオカメインコやセキセイインコがいるので、インコのお世話は奥様、うさぎのお世話はご主人が分担していました。
うさぎを迎えてから半年をすぎた頃、アルファルファからチモシーに牧草を切り変えると、ご主人にひどい咳・くしゃみ、目のかゆみ、鼻がムズムズするという症状が出てきました。社会人になったばかりの頃に花粉症のような症状が出たことがありましたが、薬を飲むほどではなかったため、アレルギー保有者の自覚はなかったそうです。
「今回の症状は牧草が原因なのかもしれない」と、病院でアレルゲン検査をしてみると、雑草のカモガヤ(イネ科)、ブタクサに反応が出たそうです。「恥ずかしながらチモシーがイネ科だと知らなかったんです。かといってうさぎの毎日のごはんですから自分がうまく付き合っていくしかないですよね」とご主人。
幸いに処方された薬を2ヶ月ほど飲んだところ、症状が安定し、現在は症状が出たときに薬を飲んでいるそうです。「免疫力がついてきたのでしょうか。マスクをしなくてもお世話ができています。昨年12月にアレルゲン検査の項目を増やし、カモガヤと家兎上皮についても検査したところ、カモガヤが数値13で6段階評価で陽性の3、うさぎの毛は0・1未満で陰性の1でした。やはり牧草を与える時は粉などを吸わないよう注意していきたいと思います」。
カモガヤにアレルギー反応
Hさん(大阪府)
もともと約20年前からアレルギーがありました。突然、鼻水が止まらなくなり、目、鼻、のどがかゆくて、日常生活が辛かったです。病院で血液検査をして、陽性だと分かりました。何種類もの草木にアレルギーが出ており、4〜1だったと記憶しています。一番高かった4は、カモガヤ(オーチャードグラス)。治療としては、アレルギー薬の服用を勧められました。
ただ、薬は、眠気、喉の渇きなどがあり、通院も含め、服用し続けるほうが辛いので、薬を飲むのをやめました。また、レーザー治療は、アレルギーがない時期しか行えなく、年がら年中、突然かゆくなる時があるので、踏み切れません。
対策として花粉を吸わない、服に付かないように気をつけてはいます。今は、マスク、目薬をメインに、ひどい時は朝晩の鼻うがい(ハナクリーンS使用)をしています。
牧草の穂の部分に反応してかゆみを感じます。年明けから花粉のシーズンに入り、いつもより敏感になっているのかかゆみを感じる時期が早いように思います。
夜中に突然呼吸困難 原因はチモシー!?
Iさん(東京都)
うさぎが大好きなIさん。先代のらぶちゃんが8歳でお月さまへ行ってしまうと、さびしくてまたうさぎを探すようになりました。半年後お迎えしたのが同じオレンジカラーのらびちゃんでした。
らびちゃんをお迎えして半年後、眠りについていたある晩、息ができなくなって飛び起きました。あわててベッド横の窓を開けて外に向かって大きく呼吸をしました。
当初は「この症状は一体なんなのだろう」と全く予想がつかなかったそうです。昼間は症状が少し収まりますが、就寝すると翌日、翌々日も続きました。
近くの病院へ行くと、「ぜん息ですね」との診断が下され、アレルゲン検査をしたところ、スギ、ヒノキ、ブタクサ、カモガヤ、ハウスダストに対してアレルギーがあることがわかりました。これまで小学生くらいに気管支炎を患ったことはありましたが、成長と共にその症状は落ち着いていたので、想定外のことでした。
「アレルゲン検査の時、うさぎ(家兎上皮)に対してアレルギーがあるとしても、そんなことわかりたくないと思ってその項目は選ばなかったんです」と大胆なIさん。らびちゃんの抜け毛がそばにあっても症状が悪化するといったことはなかったそうです。
しかし、症状はそれだけではありませんでした。「全身の皮膚が柔らかい部分にバーっとじんましんが出ました。大きな紅斑が現れて自分でもびっくりしました。お風呂上りなど、血行がよくなるとじんましんはすぐ出てきて、ひどいかゆみを伴いました」。
思えばIさんはらびちゃんとワンルームで過ごしていました。検査ではカモガヤがアレルゲンであったことから、同じイネ科のチモシーに反応しているのではないかと思うようになりました。対処としては、病院で処方された飲み薬と予防用に吸入薬を使用しています。
「ここ数年は症状が安定しています。でも発症すると怖いので、ケージ内の牧草のそうじとペットシーツの取替えをこまめに行っていますし、のどの保湿に加湿器を置いています。自分にとってらびちゃんなしの暮らしは考えられません。だから風邪気味の時や咳が出やすい時など、早期に予防することでらびちゃんとこれからも楽しく暮らしていきたいと思っています」。
うさぎと暮らしたいから 対策も怠らないようにしています!
Kさん(滋賀県)
もともと金属(アルマイト)、サバに対してアレルギーがありました。
5年ほど前からは、ガーデニングが趣味で草木を触る機会が多く、ある日突然素手で葉に触れると、発疹が出るようになりました。その頃はすぐに発疹もかゆみも引いていたので、草木によるかぶれだと安易に考えていました。実際アレルギーだと認識しはじめたのは一昨年前の春頃です。
その時は、目、耳など、どこもかしこもかゆく、鼻水も咳も止まらず、ぜん息のような症状でした。日が経つにつれ、睡眠にも支障をきたしてきたので、市販のアレルギー薬を使用開始しました。
アレルゲン検査は、その年の8月と今年の1月に検査をしたところ、[家兎(上皮)18.50 UA/㎖、非特異的IgE 142IU/㎖]という結果が出ました。イネ科は問題ありませんでした。
お医者さんからは「数値的には強いアレルギーではないが、非特異的IgEは、数値が高くても症状が出にくい人もいれば、数値が低くても強い症状が出る人もいる。一番よいのはうさぎを飼う事をあきらめ、原因を取り除く事」といわれました。しかし、現実的には無理なので、現在、空気清浄機を2台稼働させ、うさぎと人間エリアを分け、うさぎエリアでお世話する際は、薄手のゴム手袋、マスクを着用。換毛期は特に注意が必要でマメに掃除機をかけて毛を除去。連続で長時間うさぎエリアにいないようにするなど、悪化しないための予防策をしています。
お医者さんから気道潤滑薬、消炎やアレルギーに作用する薬を処方して頂き、現在は基本薬で抑えられていますが、体調によってはかゆみや鼻水が止まりません。
Sさん(東京都)
中学生の頃から花粉症や鼻炎、金属アレルギーはありました。昨年夏、ぜん息発作が起き5日間入院しました。症状としては、呼吸がしにくくなり、次第にほとんど息が出来なくなりました。声が出せなかったので自分で救急車も呼べず、母親が帰ってこなければ生死に関わっていました。
病院に入院した時にアレルゲン検査を一緒に頼んだんですが、忘れられたようで、退院後の通院時にも頼んだんですが、結局やってないです。お医者さんからは、「急性気管支ぜん息」との診断でした。現在、レルベアを1日1回と発作時にメプチンエアーを吸入してます。
現在は、牧草の粉で発作が出るように感じ(事実、牧草をいじると発作が起きる)、牧草は極力触らないように家族に常に協力してもらっています。トータル10畳ほどのスペースに20畳用空気清浄機を2機使っていて、そうじをこまめにしてとにかく換気をして常に綺麗な空気にすることを心がけています。
Yさん(東京都)
うさぎと2年ほど一緒に暮らしています。元々アレルギーがありましたが、最近猫を保護したところ、ひどいせきが出るようになりました。検査をすると、ネコとダニ、スギに対する吸入アレルゲンの陽性反応が出ました。
少し前までは週に2回耳鼻科に通って吸入をしていましたが、今は通わずに飲み薬をもらって、ひどくなった時用に持っています。猫は飼い主さんが無事に見つかりました。
Rさん(埼玉県)
もともとアレルギー体質ではありましたが、うさぎと関わり始めた当初は目立った症状はありませんでした。昨年の5月頃に咽頭部から軽度のヒュー音が聞こえ始めてから、重度のせき(ぜん息発作?)、呼吸困難、喘鳴ぜんめい:ゼーゼーなど、呼吸によって音が生じる)、鼻閉、鼻汁が現れました。ほぼ毎日入眠中に症状が出て、その度に外に出たり、車内で寝たりしていました。外に出ると約2時間程度で症状は治りました。
病院の検査では[View39検査+家兎上皮]を行い、兎の値がずば抜けてました。診断はアレルギー性気管支ぜん息、治療は抗アレルギー薬(エピナスチン)、ステロイド吸入(サルタノール)です。
病院から一番の対策はうさぎと離れる事だと言われましたが、不可能だと断りました。うさぎの部屋の完全隔離、頻回に換気・掃除、空気清浄機の導入、などです。
現在は下記の対策を実施しているため、症状が出る事はまれになりました。ときどき重度の鼻汁。軽度の喘鳴が起きた時はすぐに吸入で対応し、落ち着いています。
対策はうさぎ部屋を完全隔離しています。まあ、テレビがあって冷暖房が完備されてる部屋に隔離しているので、冷暖房テレビなしの寝室にこもってる私の方が隔離されていますけど(笑)。
室内でも常にマスク、うさぎ部屋、寝室に空気清浄機を設置。なるべく毎日掃除、換気。これだけでも夜間の良
眠が確保出来ました。うさぎと遊ぶ時は外に出ています。時々車に乗せますが、マスク、換気、吸入は必需です。
●同じ悩みを抱える方へ
「まずは自分の身体を客観的に知る事が大切。アレルギー検査後、自分の数値を具体的に知ってから実感が湧きました(ちなみにうさぎの検査は追加項目なので、医者にうさぎの項目も調べるように頼んで下さい)。私自身、うさぎがもちろんかわいくて、関われない事にさびしさを感じています。死活問題なので致し方ないとも思っています。しかしよく考えてみたら、部屋で遊べない分、たくさん外に連れて行って遊んであげたりする事も出来ます(うさぎのストレスにならない程度に)。
うさぎと自分のためにも、どうやったらお互い楽しめるか、幸せに過ごせるかを考えてあげる事が今出来ること。まるっきり関わらなくなる、じゃなくて関わり方を少し変えてあげる事が大切だと思っています」