うさぎの健康

うさぎのきもち PART4

かわいいしぐさ、変わったしぐさ、面白いしぐさ、また気になるしぐさ、あやしい(?!)しぐさなど、うさぎのさまざまなしぐさを見ていくと、表情の豊かさに気づかされることでしょう。ここでは、しぐさから見る感情を解説します。もっとうさぎと心が通じ合えるかも?(監修:中山ますみ/らびっとわぁるど・出展:当社刊『うさぎと一生暮らす本」より)

よくある行動

うさぎのさまざまなしぐさ、動きは、その時の状況によって意味が違う時があります。よく見られる行動も、その行動だけで判断するのではなく、「状況」を把握することが大切です。

ここから、行動から見るうさぎの感情をご紹介します。
(喜び=喜、遊び=遊、怒り=怒、哀しみ=哀、恐怖=怖、好む=好、安心・安堵=安、興味=興、求愛=愛、驚く=驚、攻撃=攻、学習=学、習性=習、本能=本、緊張=緊)
で表していますが、環境(人間の家族構成・接し方・うさぎの飼育環境・性格など)によってうさぎたちの表現方法は異なることがあります。あらかじめご了承ください。

鼻ツン(遊・習・怒)

  1. 物を鼻で押して確かめる→優しく押すことが多い。
  2. 対象物や人に対して鼻で突っつくように強く押す→「邪魔だからあっちに行って」などの理由が多い。

①の場合はなんら問題ありませんが、②の人に対して「自分が通る道だからどいて!」という場合、もしあなたがうさぎとの主従関係を築きたいと思うのであれば、うさぎへ「ちゃんと回り道していきなさい。」とやさしく促してあげましょう。
主従関係をあまり気にされない方は譲っても譲らなくてもOK‼

立っち(緊・興・習)

うさぎの普段の体勢はとても低いため、野生下では草原、家の中の暮らしでは家具などの物によって視野が遮られてしまいます。気になる音を感知したり、遠くにある何かを確認したい時には立ち上がり、様子をうかがいます。
立ち耳のうさぎなどは耳の方向が、うさぎ自身の気になる方向へ向いていることが多いので、観察してみましょう。その先には何かが…あるかもしれません。

のび・あくび(安・習)

私たち人間でものびやあくびをします。うさぎももちろん同様で同じ行為をします。
「のび・あくび」にはさまざまな説がありますが、一番の有力説は「低酸素説」です。これは、血中の酸素濃度が低下した際に、酸素を取り込むためにのびやあくびをしているのではないかという説。
うさぎたちはくつろいでいても、寝ていても「何かがあった時にはすぐに逃げられる用意をしなければならない」という遺伝子的な習性があります。そのため、適度にのびやあくびをして準備をおこたらない、というわけです。
でも「本当に眠くて眠くてしょうがないや~」と、あくびをしているコもきっといるでしょうね。

足ダン(驚・緊・怖・怒・喜・遊・習)

基本的に「足ダン(スタンピング)」はうさぎにとって不愉快な気持ちを表すことが多いのですが、遊びながら「足ダン」するコもいます。興奮度が高くなってきたのでしょう。「足ダン」をしてから走り出し、上機嫌で飛び跳ねる…の繰り返しです。
もし、「危険を知らせる」、「部屋の模様替えで家具の位置が変わった」などで足ダンをするようなことがあれば、うさぎの目つきが鋭くなり、身体は硬直しながら、回避されるまで足ダンは続くことがあります。優しく声をかけ、落ち着かせてあげましょう。

しっぽの動き(緊・喜)

しっぽの動きにはさまざまな解釈がありますが、「嬉しい時」や「緊張」を表していることが多いです。
これも、その時の状況で意味が変わってきます。
特に複数飼いの場合、他のうさぎの匂いをかいで「匂いチェック」をしている時などにしっぽを「フリフリッ」と左右に振ることがあります。同時におしっこをする時も…。
この場合は「マーキング」という形で自分の匂いを振りまき散らしていることが考えられます。うさぎが真剣に「他のうさぎの情報」を嗅ぎ取っている(緊張している)最中なので、ちょっかいをだすと、おしっこを飛ばされる可能性があるので注意が必要です。


眠りでリラックス度チェック

うさぎの睡眠

うさぎは基本的に浅い眠りを繰り返して睡眠をとります。そして目を開けながら寝るという凄技を持っています。これは自然の中で暮らしてきたうさぎが、いつでも逃げられるようにと準備をしているからです。
しかし、人間と暮らしているうさぎたちは、そんな緊張感も薄らいでリラックスしているようです。
「眠りでリラックス度チェック」では、質問に答えていくだけでうさぎのリラックス度をはかれます。ただし、あくまでもうさぎの眠り方での判定ですから、家での普段のリラックス度を測るうえではこの限りではないでしょう。
他のチェックも必要になってきますので、うさぎの寝方、しぐさ、態度などを「どんな風に観察するのか」と参考にしてください。

どんな体勢で寝ていますか?

  • A:ゴロンと横になっている→♡♡♡♡
  • B:伏せたまま寝ている→②へ

普段寝ている時は目を開けていますか?

  • A:開けている→③へ
  • B:閉じている→④へ
  • C:半開き→⑤へ

寝ている時は隅の方で寝ていますか?

  • A:はい→♡♡
  • B:いいえ→⑤へ

寝ている時、前足を内側に折りたたんでいますか?

  • A:折りたたんでいる→♡♡
  • B:伸ばしたまま→⑤へ

寝ている時に声をかけたり物音がした時の反応は?

  • A:すぐに逃げる→♡
  • B:ビックリして目を開ける→♡♡♡
  • C:ゆっくりと目を開ける→♡♡♡♡
  • D:無反応→♡♡♡♡♡

  • 一番野生に近い感覚を持っているかもしれません。臆病なコが多いので、ゆっくりとコミュニケーションをとり、いい関係を整えていきましょう。
  • ♡♡~♡♡♡
    まだ警戒しているようです。これから信頼関係を築いていければ、もっとリラックスしてくれるようになるでしょう。
  • ♡♡♡♡
    かなりリラックスしているようです。飼い主さんとの信頼関係もかなり築けているはず。この調子でデロデロのメロメロにしてしまいましょう!
  • ♡♡♡♡♡
    無敵です! 深い眠りについているようなので、ゆっくり寝かせてあげましょう♪

うさぎのしぐさからわかること

うさぎは他のペット動物同様、姿勢・しぐさ・行動などで仲間や自分に目を向けた人間に対して情報を伝えようとしています。しかしうさぎは人間のように言葉がしゃべれないため、その感情を私たちが捉えるのはとても難しいことです。
うさぎのきもちを読み取るためには、うさぎたちを観察する時に「何を?」「どうして?」「どうやって?」「どんな風に?」と疑問を持つことです。そうするといつしかちょっとした行動やしぐさの中に、そのコを見出せるキッカケがあることに気づくでしょう。楽しいジャンプの仕方ひとつでもそれぞれクセがあり、特徴を持っています。その特徴がそのコの表現方法であり、「個性」なのです。
きっとまだまだ、「うさぎからのサイン」は隠されているはず! そして進化していてもおかしくありません。どんな風に表現しようか? どうやったら気づいてくれる? わかってくれるのかな? うさぎたちは色々と試行錯誤しながら、飼い主さんにメッセージを送り続けています。
うさぎなら当たり前の行動も、一緒にいる私たちの気持ちひとつが変わるだけで、解釈も変わります。そのコの「真実」を少しでも汲み取れるようになっていきたいものです。そして、うさぎが自分のきもちをいつでも表現しやすいように、きもちいい空気を作ってあげたいですね。

(うさぎのきもち 終わり)