うさぎの基本

うさぎに負担の少ない保定(抱っこ)

うさぎと暮らすみなさんに伺ったご相談で一番多かったのが「抱っこ」、次いで「爪切り」でした。確かに抱っこができなければ、お世話はできません。でも、こちらの必死さを察すると、うさぎは逃げていくだけです。発想を変えて、うさぎと飼い主さんにとって、不安にならないバッグを使った練習を始めてみましょう! (うさぎと暮らすNO.56から改編)

なぜ抱っこに慣れる必要があるのか

うさぎの立場で考えてみます。まず外へ出かけるということでキャリーに入って緊張しているところに、動物病院などで診察を受けるということでさらに緊張感が高まる状況になります。うさぎは飼い主さんが考える以上に、いつもと違う行動、例えば診察台で暴れてしまうということも出てきます。骨密度の少ないうさぎはそこでけがなどすれば取り返しのつかないことになってしまいます。

おうちで多少抱っこという苦痛も慣れていることで、『我慢』を知っているうさぎと知らないうさぎは大きく変わるのです。

基本のキ

優しい保定

バッグを使って

病院の診察時

例/「ABCbag」
今回使用したもの。清水動物病院(横浜市)が発案した製品。うさぎの診察の際に飼い主さんに持参してもらっている。チャックが丈夫で、うさぎの自力で開かないよう安心ロックになっている。

製品の大きさは約48㎝×48㎝ですが、うさぎのサイズに合わせて座布団カバーなどで代用もできます。体重を計るときに差し引きできるように袋の重さを記載できるようになっています。

〇製品紹介ページ 清水動物病院

バッグ使用の利点


バッグを活用した診察方法は、うさぎが診察台で驚いて落下したり、急に暴れることを軽減するために考えました。うさぎは穴の中で暮らしている習性から体が包み込まれている状態は安心します。バッグの中で逃げるすき間ができないので、ある程度動けないことがわかるとうさぎは静かになります。抱っこが嫌いなうさぎは、床の上でバッグから顔、足などを出してお世話することに慣らす方が安全です。給餌をする場合も役立ちます。いつもへやんぽしているテリトリーだと遊びに夢中で、バッグに入るのを嫌がる場合は、段ボールなどに入れてから、あるいはテリトリー外に連れて行って練習してみましょう。

ケージから出す場合


※注)写真はキャリーで再現している
①袋の内部を開き、うさぎが入りやすいようにする

②うさちゃんをなでなでする。

③ケージの中に、バッグの内側をそっとうさぎの方に向けて差し入れる。

③うさぎが近づいてきたら、頭側からお尻側に向かって、バッグで体を包んでいく。

④バッグを少しずつ動かしながら、完全に体をバッグに入れ込む。

⑤チャックの上部を閉じる。

⑥ケージから出して、頭の部分を上にして、優しく抱き上げてあげる。腕でお尻や上体を支える。

⑦チャックを少しだけ開けて、顔の部分を出す。チャックは毛を挟まないように、ぎりぎりまで閉める。


※興奮していたら落ち着くまでチャックを開けるのは待つ

リビングでバッグに入れる

①リラックスしてもらえるようにうさぎの頭をなでる。

②ケージの場合と同様に、バッグの内部をうさぎの頭からかぶせる。

③いつもバッグを床に置いて、おやつをおいて入るように遊ばせてもよい。

④チャックを閉める。

⑤頭の部分を確認して、上にしてゆっくりと抱き上げる。

⑥自分の体とうさぎの入ったバッグをぴったりとつけて、体全体を両腕で優しく支える。

ボディチェックできるかな?

バッグからお顔の部分を出してお顔周りをチェックしてみましょう。
目から涙や目やには出ていないですか、口からよだれは出ていないですか、前歯に異常(バッティング)などはないですか。

この状態までできるようになると、給餌サポートやおててを出して爪切りができます。近いうちにご紹介いたします。