今回もおうちの庭や公園、道路の植え込みなどで見られ、うさぎが出会いやすいものの中から毒性がある植物をご紹介します。このような草木とうさんぽ中の写真を撮る、近づけるといった行為はやめましょう。野生化のうさぎと違って、おうちのうさぎは興味があるものはにおいをかいでから口にすることがあります。
よく見かけるNGな植物
ナガミヒナゲシ(ケシ科)
学名
Papaver dubium L.
今一番見るくらい増えている外来種の花です。みなさん「あっ!」と思うのではないでしょうか。オレンジ色の小さな花がかわいいですが、他の植物を追いやるほど繁殖力が強いです。毒性がある・ないとなぜか諸説あるようですが、総じてケシ科の花には近づけないようにしましょう。
実際に西洋タンポポも日本タンポポより増えてしまっているので、強いものほど勢力を増していくのですが、地域によってはこうした外来種は見かけたら駆除してほしいというお願いをしているところもあるようです(同様に近年繁殖力の高いオオキンケイギクは毒はなし)。
5月下旬現在、このナガミヒナゲシは種になってきています。
有毒成分
アルカロイド。茎、葉。
症状
下痢、けいれんなど。
レンゲツツジ(ツツジ科)
学名
Rhododendron molle subsp. japonicum
きれいな花が咲く、ツツジですし、花には甘い蜜がありますが、ツツジ科は有毒種が多く(シャクナゲなど)、神経麻痺系の毒性があるので総じて要注意です。
有毒成分
アンドロメドキシンなど。全株
症状
呼吸困難、けいれん
タマスダレ(ヒガンバナ科)
学名
Zephyranthes candida
もとは南米原産の園芸用ですが、野生化もしているようです。群生化します。 鱗茎がノビルやニラに似ていますが、白い花が咲きます。
有毒成分
リコリン。 鱗茎(球根)、茎
症状
下痢、けいれんなど。
シキミ(マツブサ科)
シキミの葉をお盆にお墓に供える習慣があります(葉はサカキに似ています)。春は淡黄色の花を、秋は八角に似た星型の実をつけます。
学名
Illicium anisatum L.
有毒成分
アニサチン、ディオキシファニザニンなど。全株。特に果実
症状
下痢、めまい、呼吸困難など
アセビ(ツツジ科)
学名
Pieris japonica subsp. japonica
春にすずらん状の白やピンクの花をつける。少量でも毒性が高く、農薬のない時代に殺虫剤に利用された。馬酔木とも書き、「馬」が葉を食べると毒にあたり、「酔」うようにふらつく「木」とされる。ツツジ科には有毒が多い。
有毒成分
アセボトキシン。葉、樹皮、花
症状
腹痛、下痢、神経麻痺など
ホオズキ(ナス科)
学名
Physalis alkekengi var. franchetii
地下茎および根は酸漿根(さんしょうこん)として風邪などの生薬にされているが、生食は有毒なので注意。子宮禁縮作用があるため、妊娠中のうさぎには適さない。
有毒成分
ヒストニン、アルカロイド。茎根や種に含まれる。
症状
下痢、子宮の緊縮を促す作用
ヤツデ(ウコギ科)
学名
Fatsia japonica
別名テングノウチワ。手のような切れ込みの入った8つの葉が特徴。冬に白い花が咲き、夏に黒い果実がなる。
有毒成分
ファトシン。葉、根、茎
症状
腹痛、下痢
間違え厳禁の植物
トリカブト(キンポウゲ科)学名:Aconitum
毒成分
アコニチン
症状
下痢、しびれ、けいれん
日本三大有毒植物の一つで猛毒植物として過去に事件も起きています。うさぎに最も近づけてほしくない植物です。寒い地域に分布が多いようです。青紫の花が咲くのが特長です。
葉の形からヨモギ(うさぎOK)、ゲンノショウコ(毒なし)、ニリンソウ(毒あり)と間違えられることが多く、人の誤植事故が起きています。
次回はうさぎには総じてNGの「観葉植物」について取り上げます。