今年の10月27日(金)は十三夜(じゅうさんや)です。旧暦の9月13日~14日の夜のことをいいます。日本で太陽暦が採用されたのは、明治6年(1873年)からです。旧暦とはそれまで使っていた太陰太陽暦のことで、新しく採用された暦が「新暦」となります。うさぎと暮らす読者のみなさんは「十三夜」よりも「十五夜」の方がおなじみかもしれませんが、秋の満月を鑑賞する「お月見」には「十三夜」もあるのです。
3つのお月見の風習
一年でお月さまが一番きれいとされる「十五夜」は中秋の名月と呼ばれ、中国の行事が由来となっています。今年は9月29日がそれにあたりました。ほかにも旧暦10月10日に行われる稲の収穫祭に「十日夜(とおかんや)」という風習があります。
ちなみに秋に月がきれいなのには理由があります。湿気の多い夏は月は霞んでしまいがちですが、秋は湿気が減り、空気が澄んでいます。気温が下がり、空気中の水蒸気が減るので、月がクリアに見えるのです。
『十五夜の次に月が美しい』とされているのが十三夜です。
十三夜は秋の収穫に感謝しながら月を愛でる、日本独自の風習です。
十五夜と十三夜を合わせて『二夜の月(ふたよのつき)』と呼び、どちらかしかお月見をしないことを『片見月』といい、縁起が悪いとされていました。
十五夜の時期は、秋の長雨という言葉がある通り、雨が降りやすい季節です。秋が深まり、十三夜の時期になると晴れることが多いため、十五夜の月を眺められなかったとしても、十三夜の月見を待つ楽しみがあったのではないか、とされています。
なお、十三夜は満月になるとは限らないそうで、今年の満月カレンダーを見ると、満月から少し欠けた月、97.2%になっています(満月は100%)。満月になるのは翌々日の10月29日の予定となっています。
十三夜はこの季節の収穫を感謝する収穫祭でもあります。人々にもたらす自然の恵みへの感謝や、翌年の豊作を願うという意味が込められています。「栗名月」「芋名月」「豆名月」とも言われ、カボチャ・大根・銀杏・ブドウ・柿・キノコ類など旬の野菜や果物を飾ります。
うさぎと月がなぜ深い関係にあるかというお話は当サイト下記をご参照ください^^
十三夜のお菓子もお見逃しなく…
中国では中秋節(十五夜)に欠かせないものに伝統的なお菓子、月餅(げっぺい)があります。月のようにまん丸の形をしていて 小麦粉・ラード・砂糖・卵などで作った皮で、あずきあんや木の実、ドライフルーツなどを包み、平たく円形に焼いたものです。その形は「家族の輪」「団欒」を象徴するといわれており、一家で丸い月餅を均等に切り分けて食べ、家族の幸福を祈るのが中国の習わしです。
十五夜の時期には及びませんが、十三夜の時期にも栗や芋を使ったものやうさぎモチーフの和菓子が出回ることがあるのでお見逃しなく…。