うさぎの飼い方

うさぎのために…アレルギーチェックの総論(3)

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ここまで2回にわたりお届けしてきたアレルギー企画の最終回。アレルギーの総論をご紹介します。今は何ともなくても、将来アレルギー症状が出る可能性は誰もが秘めているのです。アレルギーって何だろう? どうすれば快適にうさぎと暮らしていけるんだろう? 一緒に考えてみませんか。(うさぎと暮らすNO.36、67より改編)

アレルギーって?

そもそもアレルギーとは何なのでしょうか。

人間には、自分の身体を守るための機能が備わっています。その一つが「免疫」です。ウィルスや細菌などの異物(抗原)が体内に入る(感染)と、体内の細胞はその抗原に対する「抗体」(細菌などを中和して、生体を防御する)を作ります。その抗体が2度目に進入する抗原を攻撃し、抗原を撃退・排除しようとします。これが「免疫反応」で、「抗体反応(または抗原抗体反応)」ともいいます。「自分と違うもの(異物)」が体内に入ってきた時、それを排除するという、高度な身体の防衛システムです。

ところがこのシステムは、ときには防衛の範囲を超えて、外から入ってくる特定の異物(花粉など)に対して敏感になり、過剰に反応して身体に不快で不利な症状を引き起こします。それがアレルギーです。免疫反応を引き起こすものを一般に「抗原」と呼びますが、この場合は「アレルギー反応を引き起こすもの」という意味で、「アレルゲン」と呼んでいます。

【代表的なアレルゲン】
ハウスダスト:家のホコリ、ダニ
カビ(真菌):カンジダ、ペニシリウムなど
花粉:スギ、ヒノキ、イネ科植物、雑草など
動物:うさぎ、犬、猫、モルモットなど
食物:卵、牛乳、そば、小麦、大豆など

アレルギーの種類

さまざまなアレルゲンがある中で、特にうさぎの飼い主さんに関係があるのが、「花粉」と「動物」です。

花粉

うさぎの主食となる牧草は、イネ科の植物です。チモシーは「オオアワガエリ」チモシーについで人気のオーチャードグラスも、「カモガヤ」といい、その花粉はアレルゲンとなります。

オオアワガエリやカモガヤのアレルギーを持つ人は多くいます。ただ普通は屋外で草地などから飛散してくる花粉が原因となるため、そういった場所に近寄らない、また特に花粉の飛散時期である5~7月には注意して服薬などの治療を行います。しかしうさぎの飼い主さんの場合、一年を通して家の中にアレルゲンとなる牧草を置いているため、絶えずアレルギー症状に苦しめられることになるケースが多いようです。

動物

私たちがもっとも愛するうさぎ。しかし悲しいことに、そのうさぎがアレルゲンとなることがあります。うさぎのアカやフケ、及びそれらのついた毛などが刺激となり、アレルギー反応を引き起こします。

動物全般がダメという人もいれば、うさぎだけ、猫だけ、といったように特定の動物のみ反応を示す人もいます。また同じ動物であっても、品種によってアレルギー反応に違いが出る場合もあります。例えばラブラドールレトリバーは比較的アレルギー反応が出にくい犬種とされています。うさぎにも品種によって多少の違いはあると考えられますが、現時点でそれを調べる方法は確立されていません。

なぜアレルギーになるの?

花粉やホコリなどは、私たちの身近にいつも存在しています。アレルギー反応が出る人と、出ない人がいるのはなぜなのでしょう。その答えは「体質」。アレルギーを起こしやすい体質を持つ人が、ある特定のアレルゲンに対して反応を起こすのです。

アレルギー体質とは、海に隠れた氷山の下の部分のようなもの。体質として持ってはいても、症状が強く出ないために気付かない人もいます。うさぎアレルギーを持っていても、うさぎを飼わなければそれに気付くことはないでしょう。

またうさぎを飼い始めた頃は何ともなかったのに、数年経ってから発症したという人もいます。それは元々持っていたアレルギー体質という素因に加え、毎日大量にアレルゲン(うさぎのフケや牧草の花粉)を体内に取り込むという環境要因が重なったこと、そしてストレスを受けたり、体調が落ちているなど、発症のきっかけがあり氷山のてっぺんが海面に現れてしまったといえます。

アレルギーは、体質と環境要因(日常生活の中のアレルゲン)が合わさって起こる複雑な病気です。環境要因によって次々にアレルギー反応を引き起こす場合もあります。うさぎアレルギーを発症した人が、花粉症やハウスダストアレルギーなどを次々に発症するといったケースは、その典型的な例といえるでしょう。

アレルギーかなと思ったら

以下のような症状が出たら、アレルギーかもしれません。「まさかうさぎアレルギー? それとも…」などと、一人で色々悩んでいても仕方ありません。まずは病院で血液検査を受けて原因をはっきりさせ、それに対する対策をしていきましょう。

<主なアレルギー症状>
目がかゆくなる
涙が出る
鼻水・鼻詰まり
咳・くしゃみ
息がゼイゼイする
じんましん
皮膚炎(かゆくなるなど)

<アレルギー治療の流れ>

①検査
病院(内科、アレルギー科など)でアレルギー検査を受けます。血液を採取し、「IgE抗体(免疫グロブリンE)」という物質がどれくらいあるかを調べます。検査可能なアレルゲンの項目は100種類以上ありますが、1度の検査で調べられるのは10項目までなので、医師と相談しながら検査項目を決めましょう。
うさぎは「家兎上皮」、チモシーは「オオアワガエリ」、オーチャードグラスは「カモガヤ」です。他に気になる花粉や身近にいる動物(犬、猫、モルモット等)、ハウスダストなどを調べるとよいでしょう。

②検査結果に基づいて治療方針を決める
血液中の抗体の数値によって、アレルギークラスがわかります。クラス1は擬陽性、クラス2~6は陽性で、上にいくほど強い症状が出ます。現在の飼育環境の見直しや投薬など、医師によく相談しましょう。

③治療
主にアレルギー症状を抑えるための薬が処方されます。毎日飲む場合、発作が起きた時だけ服用する場合など、薬の種類や症状の重さによって変わってきます。
アレルギー体質自体を治すことは、残念ながら今の医学ではできません。なるべく症状が出にくい環境作りをしていくしかないのです。また、体調が悪くなると一気にアレルギーがひどくなることが多いので、普段から健康的な生活を心がけましょう。

毛や皮膚の健康を保つケア

うさぎには大量の抜け毛がある換毛期があります。季節に合わせて衣替えをするうさぎにとって大切な行事です。毛以外にもシニアになって代謝が緩くなったり、栄養・健康状態に異常があるとフケが出ることもあります。

アレルゲンが「うさぎ」にある方は、毛よりもフケがアレルギー源になるそうなので、おうちの中ではこまめなお掃除が必須なのと、空気清浄機やケージの中に集毛器を置いたり、アレルギーのないご家族にあるいは、うさぎ専門店でたびたびブラッシングをしてもらう必要があります(それでも追いつかないことも・・・)。

これまで取り上げてきた上手に暮らしている方々を参考にしながら、毛の処理に関しては当サイトのこちらもご参照くださいね。

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